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episode:59
「よりよい出会いってのは、じっとしてちゃだめなのよ。」

  • 阿川 大樹

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2010年6月22日(火)

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前回までのあらすじ

老舗 大日本鉄鋼に旭山隆児(あさひやまりゅうじ)が呼び戻され、第三企画室が設置され1年が過ぎようとしていた。独立した新会社オルタナティブ・ゼロでは旭山社長のもとで第三企画室室長 風間麻美(かざまあさみ)、次長 楠原弘毅(くすはらこうき)それぞれの仕事に見通しがつきつつあった。が、本社日枝からの電話は大日本鉄鋼の危機を伝えるものだった。

【登場人物の紹介はepisode:zeroをどうぞ】

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 あちゃぁ~。

 コピー機から真っ白い紙が大量に吐き出されている。

 原因はわかっている。ドキュメントフィーダーにセットした原稿が裏返しだったのだ。原因がわかることと事態を打開できることは同じではない。忠実な僕(しもべ)である複合機は、文字のない真っ白な紙の複製(コピー)を唸りを挙げて製造しつづけている。

「コーキ君、助けて。これ、途中で止めるの、どうやるの?」

「いま行きます」

 立ち上がるが早いか、デスクの脇を華麗に回り込んだ弘毅君がストップボタンを押す。それで止まった。

「なんだ、そうか、そうよね」

 排紙トレイには、熱で歪んでかさばったA4用紙が、マヌケな自分を嘲笑うように重なり合っている。

「コーキ君、頼りになるなあ」

「ていうか、風間さん、頼りにならなすぎです」

 悔しいけど、反論の余地はない。コピー機のストップボタンが押せない人間など、21世紀のホワイトカラーとしてあり得ない。

「風間さん、なんかへんですよ、今日」

 そう、へんなのだ。理由もわかっている。

「マスカラつけてるし、口紅の色、変えたみたいだし」

「メイク、そんなに変かな」

 だったら困る。

「そうじゃなくて、なんか朝から上の空みたいです」

 そう。ちょっと空の上を歩いている自覚はある。そうじゃなくて……。つまり、あれがバレてるってこと? まさか。ない、ない。それは絶対あり得ない。

 何を隠そう(もともと、おおっぴらに言うようなことじゃないけど)今晩は生まれて初めての合コンなのだ。

 生まれて初めて! そう言ったら声をかけてくれた真名(まな)に驚かれた。真名とは学生時代からのつきあいだが、彼女が合コンの鬼であったという記憶はない。それが最近の彼女は週に一度は合コンに参加しているのだという。

「ねえねえ、こんどの金曜日、夜、空いてないかな」

 久しぶりの電話はいきなりそう始まった。

「空けられないこともないけど」

「よかったあ。ちょうど一人欠けちゃったらしいのよ。でさ、友だち誘ってくれないかって」

「欠けちゃったって?」

 久しぶりの真名の話。何のことだかさっぱりわからなかった。

「やだ。合コンよ、合コン。最初に言ったじゃない」

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