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なぜ鳩山前首相は「裸踊り」と呟いたのか

――「ツイッター選挙」に問う新しい公共性

2010年6月22日(火)

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 6月17日、菅直人総理は7月の参院選を控え、民主党の新マニフェスト(政権公約)を発表しました。この「マニフェスト」、選挙も選挙なのですが、もう2つの意味を強く感じます。第1は昨年の衆院選時の「マニフェスト」の現実路線への修正という内政面の効果、そしてもう1つは財政再建や成長戦略について堅実な内容を過不足なく内外にアピールすることで「普通の期待感」健康な相場を喚起して、マネーの日本への再流入も刺激する「グローバル情報」の手堅い発信にもなっている点です。

 報道では「菅カラー前面に」などと個人名に引きつけたものも見ましたが、首相の指導が強いとしても、菅さんのカラーなどというより、今、冷静に内政外交を考えた時、現実的にこういう手筋だな、と納得のいくマトモな話だと思いました。引き続き「普通の期待感」をもって「現実的な施策」を見守っていきたいと思います。

 これまでも、現実的有効性をもつ「情報発信」の大切さを考えてきたわけですが、今回は参院選を目前「マスコミ」型の選挙や民主主義が大きく変質しつつあることを、鳩山由紀夫さんのツイッターを鍵として、ちょっと検討してみたいと思います。

 2008年のアメリカ大統領選挙でのバラク・オバマ民主党政権交代と、2009年、日本の総選挙での鳩山民主党政権交代。似たように見えていくつか違う2つの政権交代を、選挙に遡って考える時、いくつかの点が目に付きます。その典型としてツイッターがあります。

 「オバマ大統領選」は「ツイッター以後」の選挙だったのに対して、「鳩山民主党選」は「ツイッター以前」の選挙だった。より正確には民主党政権が成立し、首相になった鳩山さんがツイッターを始めたことで、閣僚を含む多数の日本の政治家が、なだれを打つようにこのメディアを使い始めました。旧来のマスコミと様々な攻防があったことは、原口一博氏のケース(「原口ツイッターに『なりすまし』可能性はあるか?」)などこの連載でもリアルタイムで取り上げました。まだ数カ月しか経っていませんが、あの頃は「ツイッターなんてものは、ごく一部の業界人がやるもので・・・」などという批判? を、このコラムにも頂いたりしたものです。今や昔日の感があります。

「人となりがバレる」ツイッターの特性!

 先日、ツィッター上で知り合った30代ビジネスパーソンの皆さんと恵比寿の居酒屋で飲むオフ会の機会がありました。その時に出た話で、

 「ツイッターって、その人のコミュニケーション能力が露骨にばれますよね!」

 なんとなく漠然と感じていたことをズバリと言われたような気がしました。確かに、いろいろな人のツイッター画面を眺めると、絵文字や「!」マークなどが多用されながら、「いま**なう」といった書き込みが多く、家族や友達以外の人が見て興味を引くページは、率直にあまり多くない印象があります。僕は自分のツイッターではこの連載などで発信した情報の補遺など、結構専門的な話題にも踏み込んで書くので、フォローしてくださる方の数は伸びないのですが、文系理系にまたがる僕の面倒な話をこれだけの数の方が見てくださる可能性がある、というだけでも、本当に有難いことだと思っています。

 さて、この「その人の人となりや、コミュニケーション上瞬間的に出てくるものが分かってしまう」新メディア、活用も可能なら、もしかすると恐ろしい爆弾かもしれないのが、政治家にとっての利用だと思います。

 今ツイッターという固有名を挙げましたが、これはブロードバンド・ネットワーク上でのパーソナル情報メディア全般に共通することです。ツイッターの政治への登場は、国会答弁改革より実はよほど、社会を変える力があった(今現在進行形であり続けている)と思うのです。

 「官僚支配の打破」というキャッチフレーズの下、議会での質問に閣僚自らが立ち入った答弁をする時代になりましたが、とはいっても国会は国会です。準備された内容が論じられるケースは少なくなく、本当にその政治家にどれくらい見識がある、どういう人物か、横顔までは分かりません。

 それが全部分かるのが、パーソナル情報メディアとくにツイッターのようなチャット系の媒体だと思うのです。タレント議員のような人で、政治も政策も実は全く素人という方にはツイッターは恐ろしい装置に見えるでしょう。実力がない人はすべてソレがバレてしまいます。その人自身がどういう器量の人間か、分かってしまう。やや大げさに言えば、ツイッターは「代議制を直接民主制方向へと、有権者の心理的距離を縮めるメディア」になっているのではないか? そんなふうにも思えるのです。
 

菅内閣の支持率V字回復

 米国での現象を見てみましょう。内憂外患、様々な問題を抱えながら、オバマ大統領の支持率は急落を回避しています。そうした安定化に「ワタシと大統領個人と、直接リンクでつながっている」というツイッター的な民主主義の意識が一役買っているような気がするのです。

 これとはちょっと違いますが、やはりメディアの威力を、日本国内の政治で如実に感じた例がありました。菅直人政権が発足するに際しての支持率の急上昇です。

 新内閣発足で支持率や株価が持ち直す、は普通にあることです。しかし今回は、そこに入念な意図があったようにも見えるのです。鳩山前首相が辞意を表明したのが6月2日水曜日のこと。明けて3日が民主党代表選の準備日で4日が投票、ここで菅氏の民主党代表就任が決定し、党内人事や閣僚の人選などが始まりますが、いろいろな理由があって(? 詳細は本当に知らないのですが)、菅内閣の認証式は6月8日まで先送りされることになります。6月4、5、6、7そして8日という金・土・日・月・火の5日間、特に週末から週明けにかけて土・日・月のメディア動向は注目すべきものがありました。

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