「武田斉紀の「行きたくなる会社のつくり方」」

第2回 日本には「社長に聞かないとわからない会社」が多い

会社に行きたくなる気持ちを邪魔するもの

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2010年6月21日(月)

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合わない上司は異動で解決しても、会社との相性は解決しない

 シリーズ第1回の「ディズニーランドで楽しく働けなくてもしょうがない」では、「人と人との関係でどうしても“合う、合わない”があるように、会社と人との関係においてもどうしても“合う、合わない”がある」ことをお話しした。

 上司に対する違和感は、我慢していればいずれどちらかの異動によって解決できることもある。しかし会社に対する違和感は辞めないかぎり解決しない。

 合わない会社に勤め続けるのは社員にとってつらいが、会社もそんな社員を見るのはつらい。もとよりそれでは業績も上がらないだろう。反対に、合う会社に勤められれば、人は放っておいても生き生きと働ける。それは組織によい影響を与え、結果として好業績につながっていく。社員にとっても社長や会社にとっても望むところだ。

 前回の記事にいただいたコメントには、「それは会社にとって都合がいいだけだ」というご意見もあった。そうだろうか。生き生きと元気に働いている社員を、会社は容易に手放したりはしない。彼らは長い目で見れば必ず結果を出してくれる。“自己保身”や“自分だけが儲かればいい”と考える経営者を除けば、結果は社員にも還元してくれる。つまり待遇も上がっていくことになる。直接貢献した人には、会社も相応の待遇やポジションを用意し、もっと活躍してくれることを望むだろう。

 “自己保身”や“自分だけが儲かればいい”と考える経営者のいる会社は、社員の方から願い下げた方がいい。そんな会社にいても社員はいつまでたっても幸せにはなれない。それこそいいように使われるだけだ。

経営と社員は同じ目的を共有しうる運命共同体

 資本主義の申し子として、「株主第一主義」を当然と掲げる会社も存在する一方で、「顧客第一主義」や最近では「社員第一主義」を掲げる会社も増えてきた。社員が幸せになってこそ会社も顧客も社会も株主も幸せになれると考える経営者は確実に存在する。

 働く側は規模の大小や、知名度の有無にこだわらず、そんな会社を選ぼうではないか。大企業だから潰れないという時代ではない。小さくても社員や顧客、社会から愛される会社を選ぶべきではないだろうか。100年、200年と永続している日本企業にはそうした会社が多い。

 社員第一主義や顧客第一主義を社員とともにめざす会社は、資本主義の黎明期のように経営と社員が相容れない関係ではない。企業理念に掲げる目的(たとえばある顧客や社会のために尽くす)は、経営と社員で共有することができる。同じ目的を実現するために互いに切磋琢磨することをよしとする経営者は、社員からの提案を喜んで受け入れるだろう。労使の対立関係は必ずしも必要ない。

 そんな理想の関係を構築するためにも、会社にとって大切なことは、経営の掲げる目的や価値観に社員が共感できること、あるいは本当に共感できる人材=合う人材を最初から集めることだと私は考える。

 以上、第1回でお話しした要旨に少し補足させていただいた。

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著者プロフィール

武田 斉紀(たけだ・よしのり)
企業理念コンサルタント
ブライトサイド コーポレーション代表取締役社長

武田 斉紀1986年東京大学卒、同年リクルート入社。人事部を経てHR事業部へ。大手から中小まであらゆる規模、あらゆる業種の企業を対象に、採用・組織作りやブランド構築を支援する。全社表彰、MVPほか各賞を受賞。その後マーケティングの新規事業立ち上げに参画、軌道に乗せて2002年に退職。期間限定でベンチャーの立ち上げに参画した後、2003年9月に企業理念の共有浸透を専門とするコンサルティング会社、ブライトサイド コーポレーション(正式名称ブライトサイド株式会社)を設立、現在に至る。
日本一のコピーライター集団「TCC(東京コピーライターズクラブ)」会員。
著書『なぜ社長の話はわかりにくいのか』(PHP研究所)、『新スペシャリストになろう!』(PHP研究所、海外でも発売)、『行きたくなる会社のつくり方』(Nanaブックス)。
全国で講演多数/一般企業、経営者交流会、官公庁、都道府県などの自治体、学校。
ホームページ:http://www.brightside.co.jp/
■過去のコラム
「社長の話がわかりやすい会社は伸びる」
「武田斉紀の「企業理念は会社のマニフェスト」」
「武田斉紀の「よく生きるために働く」」
「武田斉紀の「行きたくなる会社のつくり方」」



このコラムについて

武田斉紀の「行きたくなる会社のつくり方」

あなたの会社では、個人と組織のいい関係が築けているでしょうか。21世紀の日本の多くの企業は、高待遇も終身雇用も用意するのが難しくなっています。
個人は高待遇、好条件で会社を選んだとしても、考え方や方針が合わないと、行きたくなくなるし、長続きしなくなる。逆に、何らかの「行きたくなる」さえあれば続けられます。
互いが「いい関係」を意識しないことには、会社の活力はどんどん失われます。では、「行きたくなる会社」をつくるには、個人と組織のいい関係」を築くには、どうすればよいのでしょうか。このコラムシリーズでは、その二つの答えを探していきます。

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