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ダメおやじ上司、何でも人のせいにする。

【第3回】 全面課題型上司が組織の課題を隠蔽する

  • 稲垣 公雄

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2010年6月23日(水)

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 これまで、自己中心型の「スネオ」課長新人類タイプの「マスオ」が登場し、多数の読者から「自分の上司がそうです」「隣の席にいます」などという声が寄せられました。そして、今回、登場するのは、その2タイプの要素を兼ね備えているという管理職だ。彼はどんな行動に出るのか、さっそく丸定商事の営業部をのぞいてみよう。

 高村圭吾は朝一番のメールチェックをしていて、気がついた。そういえば今日はボーナスだ――。

 数年前から、丸定商事の給与や賞与の明細は電子メールで届く。パスワードを入力して、PDFファイルを開く。味気ない。ファイルの中身を見た瞬間、思わずため息が漏れた。

 ああ、こんなに下がった――。

 高村は、4月の為田課長との面談を思い出した。また少し腹がたってきた。

2010年4月23日14時45分。 丸定商事・営業3課、会議室――。

 「どうして、私の評価が下がっちゃうんですか?」

 高村は、この半年は営業として十分な成果を挙げた、と自分では思っていた。若干ではあるが期初の目標には届かなかった。全社的にも目標は未達成だったわけだし、周囲を見渡せばむしろ成績はいいほうだった。SAやAとは言わないが、現状維持のBは堅いだろう、と思っていた。ところが、このダメおやじは「高村君の人事評価はBからCに下がった」と言い出したのである。

 為田親次(ためだ・しんじ)と書いて、「ダメ(だ)おやじ」。誰がつけたかは知らないが、絶妙なネーミングだ。

「そりゃ、確かに目標は未達成ですけど、みんなそうじゃないですか? うちの部でも、私より成績がいいやつは数えるほどしかいませんよ」
「そりゃ、そうなんだけど」

「じゃぁ、教えてくださいよ。なんで私の評価が下がるんですか!?」

 思わず語気が粗くなる。為田課長が視線を宙に泳がせながら口を開いた。

「いやぁ、高村君は田中部長に嫌われてるんだよ」

 高村は眼が点になった。何いってんだ、このダメおやじは。為田課長には、高村が一瞬ひるんだかのように見えたらしい。その後、まくし立てるように言った。

「いやぁ、私はね、田中部長にも進言したんだよ。高村はB評価だと思うって。でも、田中部長がだめだって。高村君は田中さんに嫌われているから、なかなか難しいんだよ」

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 しゃべる気がなくなった。部長に好かれているとか、嫌われているかって、どういうことだ? それで何十万円もボーナスが変わってくるというのに…。そもそも、田中部長とはそれほど話したこともないのだ。嫌われるはずがないじゃないか――。

数日後、夜。 丸定商事近くの居酒屋にて――。

 その夜、高村は営業2課の島田課長に誘われた。同期の中川も一緒だった。中川は島田課長の部下でもある。高村は、この件について聞くにはちょうどいい機会だと思い、島田課長の誘いに乗った。

「島田さん、人事評価の評価者調整会議ってありますよね?」
「あー、期末の?」
「はい。あれって部長と課長4人でやるんですよね?」
「そうだよ」
「私は今回、評価が下がるらしいんですが、どんな話がでたんですか?」

 島田が高村のグラスにビールをついだ。

「為田さんから、何か言われたのか?」
「為田課長からは『田中部長がお前を嫌っているから評価が下がった』って聞きました」
「ぶッ…」

 隣で話を聞いていた中川が思わず、ビールを噴き出しそうになっていた。

コメント13件コメント/レビュー

今までのネタにされてた人は仕事人として欠点が目立つポジションに配置された感がありましたが、今回のケースは人間的いかなりダメのような。自分の職場にもいますけどね、なんでも他人が悪いことにして自分だけ可愛がる人。自分にとって都合のいいスジばかり主張する二枚舌にうんざりです。(2010/06/23)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

今までのネタにされてた人は仕事人として欠点が目立つポジションに配置された感がありましたが、今回のケースは人間的いかなりダメのような。自分の職場にもいますけどね、なんでも他人が悪いことにして自分だけ可愛がる人。自分にとって都合のいいスジばかり主張する二枚舌にうんざりです。(2010/06/23)

あのー、みなさんは、このようにならないでね、ていう話だと思います。(2010/06/23)

毎回楽しみにしています。知性とデリカシーに欠ける人が上に立つとみんなをどん底に突き落とすんですよね。そりゃ誰だって欠点があるとはいえ、それに自覚がない人や、むしろ欠点は人間の味だなどと開き直ってはばからないマネジャーの多いこと・・・。萎えます。(2010/06/23)

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