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第37話「他人の弱みに付け込んで弱者からお金をとるなんて、ビジネスじゃないわ」

2010年6月23日(水)

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これまでのあらすじ

 ヒノハラは日野原五郎の資金提供により、当面の資金繰りにはメドが付いたものの、コスト削減に引き続き取り組んでいた。

 社長の団達也は、日豊自動車からの仕入れ値が高すぎることに気づいていた。日豊の購買部長の山田克美に、ここから裏金が渡っているのではないかとにらんでいた。達也は、日豊の湯浅専務に、不正な金の流れがないか調べることを約束した。

 一方、日豊の松田義一社長は、アジアで競争力を持つ、低価格のガソリンエンジン車を開発するよう、湯浅に命じていた。

 達也のシンガポール大学時代の親友、ジェームスは上海の投資会社で新しいスタートを切っていた。イギリスのエジンバラ投資会社をクビになり、上海を新天地に選んだのだ。

 上海では、やはり大学の同窓であるリンダが「李団有限公司」という自身の会社を立ち上げ、達也との自動車部品ビジネスを実現するための準備をしていた。

 達也のビジネスモデルは、「金子順平が開発した製品を日本で量産し、上海にあるリンダの会社に輸出。リンダは親戚一族のルートを使って、中国の主要メーカーに販売する。資金はジェームスの会社に出資を頼み、3年後をメドに株式公開する」というものだった。

ヒノハラ

 達也がヒノハラの社長になってから劇的に変わったことと言えば、手作業による二重処理が減ったことだ。

 その理由は、業務を徹底して見直し、IT(情報技術)を使って、業務プロセスを抜本的に替えたことだ。例えば、注文はデータで受け取る。ファクスで発注してくる場合は、OCRで文字データに変換して自動で取り込むようにした。

 この結果、受注データを、製造指示にも、出荷明細にも、請求書にも流用できるようになり、時間とコストが大幅に改善された。さらに、業務システムと会計システムを連動させることで、仕訳伝票を作成する手間もなくなった。このため、間接部門の従業員は半分以下に減少した。

 間接費のコストカットはこれだけにとどまらなかった。自社でサーバー(ハードウェア)やアプリケーションソフトを持たずに、クラウド・コンピューティングを進めたのだ。これは、インターネットを経由して業者のサーバーにアクセスし、業者のアプリケーションを使って、データ処理をするシステム形態のことだ。

 コストは大幅に削減するし、常に最新のハードとソフトを利用できる。しかも、インターネットの環境さえ整っていれば、どこからでもパソコンから会社の情報にアクセスできるようになった。

 問題は会社のデータの保護だ。セキュリティが心配でクラウドに踏み切れない会社も多かった。だが、情報技術の進化で、クラウド・コンピューティングの市場は倍々ゲームで拡大しており、最近では、大企業や自治体も自前のハードとソフトを持たずにクラウド・コンピューティングを利用する大企業や自治体が増えている。

 IT化を進めたことで、ヒノハラの固定費は大幅に減少した。

 達也がクラウド・コンピューティングを進めたのは、単に新しい物好きだからというのではなかった。ヒノハラの固定資産を徹底的に少なくしようと考えたからだ。

「「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第37話「他人の弱みに付け込んで弱者からお金をとるなんて、ビジネスじゃないわ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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