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第3回 現場に勝手に判断させて、あとで怒っていませんか

ある老人ホーム経営者に聞いた怖い話

  • 武田 斉紀

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2010年6月28日(月)

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ホームページの理念や方針はホンモノか

 このコラムシリーズの第1回では、「人と人に相性があるように、会社と働く人にも相性がある」ことについて、第2回では、「社長に聞かないとわからないワンマン企業では、社員は生き生きと働けない」ことについて取り上げた。

 今回は、会社が理念や方針を掲げていても、真意が伝わらず現場は悶々としているという現実に注目したい。

 企業のホームページでは、企業理念、経営理念、社是、社訓、経営方針、ビジョンなど、会社の理念や方針にあたるものを宣言している会社が多い。私は仕事柄ふだんから気にして見ているが、最近はそれらをホームページの1番目の項目として掲げることがスタンダードとなっているようだ。

 なかには全く実態のない場合もあるのだろうが、一部を除けばまんざら嘘でも建て前でもないように私は感じる。そうでなければ、1番目ではなくもう少し後ろの方、たとえば会社概要の片隅にでも申しわけ程度に書くのではないか。理念や方針にあたるページを開いて、社長の写真の横に添えられた言葉を読んでいくと、本気なのだろうと信じたくなる。

 よしんばホームページに掲げられている理念や方針が本気だとして、では会社の商品やサービスを通して顧客である私たちに届いているかというと、「それは会社による」といわざるを得ない。

商品やサービスに反映している会社、していない会社

 トヨタの企業理念のバックボーンである『豊田綱領』には、「質実剛健」というトヨタ車ならではの特徴が表れている。だが直近のリコール問題でのつまずきにあるように、企業にとって理念を実現し続けることの難しさを改めて感じる(関連記事:「トヨタ志望の人材は、ホンダよりもパナソニックで幸せになる」)。

 パナソニックの『綱領』には、「産業人タルノ本分に徹シ、社会生活ノ改善ト向上ヲ図リ」とある。パナソニックの商品はソニーやアップル社に比べるとわくわく感に欠ける(3Dは期待しているが2期連続の赤字。がんばってほしい)が、トヨタに近い質実剛健さを感じる。

 ホンダの『フィロソフィー』(哲学)には「夢を実現する力が、次の夢を生む」とある。次々と夢のあるクルマを打ち出していた時代のホンダを思うと、理念の追求には終わりなどないことがわかる。

 長く経営しているといろいろなことがあるが、トヨタはトヨタの理念を、パナソニックはパナソニックの理念を、ホンダはホンダの理念を、商品やサービスに体現している会社の代表だ。

 ソニーは創業時の『設立趣意書』の「会社設立の目的」の1行目に「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」を掲げて、技術者にとっての理想をめざしてきた。ユーザーの一人としては、「アップルにしようか、ソニーにしようか、パナソニックにしようか、○○にしようか」と迷ってしまうような“ぜいたく”を味わってみたいと思う。

 日本を代表する大手メーカーを例に引いたが、規模の大小や業種は問題ではない。商品やサービスからその会社の理念や方針が伝わってくる会社もあれば、伝わってこない会社もある。伝わってこない会社では、社長がいくら心で強く思っていても、現場で働く人たちにまで届いていないか、現場の行動につながっていないのだ。

 会社の方針を現場なりに理解し、よかれと思って行動しても時として上から怒られる。そのことが現場を悶々とさせ、「行きたい」はずの会社を、「行きたくない」会社にしている。

コメント13件コメント/レビュー

今回の記事へのコメントの中にも見受けられるように、そもそも理念に基づく経営という基本的なことすらあたかも綺麗事として片付ける経営者や管理者がいる、という前提に立って議論をしてほしい。不幸は管理者と労働者の間でお互いの気持ちが伝わらないこと(だけ)にあるのではなく、むしろ管理者層の現状迎合的な問題意識の欠如にあると見るのが議論の健全な出発点だと思う。残念ながら世の中は武田さんのようにいい人ばかりではないのだから。(2010/06/29)

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今回の記事へのコメントの中にも見受けられるように、そもそも理念に基づく経営という基本的なことすらあたかも綺麗事として片付ける経営者や管理者がいる、という前提に立って議論をしてほしい。不幸は管理者と労働者の間でお互いの気持ちが伝わらないこと(だけ)にあるのではなく、むしろ管理者層の現状迎合的な問題意識の欠如にあると見るのが議論の健全な出発点だと思う。残念ながら世の中は武田さんのようにいい人ばかりではないのだから。(2010/06/29)

経営者自ら意味のない仕事(仕事してますよポーズ)しちゃってるって例ですか? それとも思考停止の例?先を読むことを諦めちゃうんですかね。この経営者さんたち相手なら誰にでも将棋勝てそうな気がする。(2010/06/28)

企業理念、文化については、弊社でも特に海外現法のメンバーがより関心を示しています。M&Aで子会社になったケースもありますので、より理念、文化に関心があるのだと思います。しかし残念ながら、日本の社員でどれくらいの人間が、弊社の理念、文化をうまく説明できるかとなると、???です。役員ですら、その解釈は違うのではないかと思っています。仕事柄、他社の事例(理念やその伝え方)を研究しましたが、理念はできるだけシンプルに、そしてトップがその理念をメッセージとして社員に自分の言葉で伝える、ということが一番重要であると思っています。弊社はそういう意味ではまだまだです。(2010/06/28)

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