「日経ビジネス」は6月28日号で以下のような特集を組んだ。「日本一 楽しい職場――『もしドラ』を超える現実があった」(購読申し込みはこちら)。
長引くデフレとグローバル競争の激化で多くの企業には閉塞感が漂う。個々の職場に目を転じても、強いられる効率化と求められる成果の重みで職場に吹く風は滞る。「毎日でも会社に行きたい」。胸を張ってこう言い切れるビジネスパーソンはそれほど多くないのではないだろうか。
だが、つまらない職場に未来はない。
この国は今、時代の転換点に立っている。新興国が猛烈な勢いで飛躍する一方、足元を見れば、会社は閉塞感ばかりで成長の芽に乏しい。日本を牽引した製造業はより高い付加価値を求められ、国内ではサービス産業が経済成長の主体となりつつある。 この時代に必要なのはイノベーションであり、顧客を感動させるサービスだ。そして、それを実現するのは楽しい職場にほかならない。この特集に関連して、「楽しい職場」として定評がある職場を描く。1回目は東大阪市のヨリタ歯科クリニック。
| 【目次】 |
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| スター美容師 どん底で気づいたもの――本誌p.20 | |
| 赤字必至の建設現場はなぜ黒字に変わるのか――本誌p.22 | |
| 僕が職場で輝く理由――本誌p.26 | |
| チーム成島の栄光――本誌p.30 | |
| 大企業も現場から蘇る――本誌p.34 | |
| 6月下旬から7月上旬にかけて日経ビジネオンラインで公開 日本一楽しい歯医者 究極の「働きやすさ」を追求 15年続く「泣ける朝礼」 |
(日経ビジネス、池田信太朗)
日本で一番楽しい歯医者がある。
そう聞いて、記者は東大阪市を訪れた。近鉄線・河内花園駅前の小さな商店街を2分ほど歩いて、店も途絶えたその外れ。3階建ての2階、3階部分に「ヨリタ歯科クリニック」はある。
歯医者とは、何と「楽しい」という言葉とかけ離れた存在だろう。
痛みを覚えて訪れて、否応なく治療椅子に横にならされ、大口を開いて扁桃腺の奥までさらけ出す。無防備な姿をさらす患者の不安感は大きくなるばかりだ。耳元で医療器具が金属音をならし、口を覗き込んだ医者は虫歯の状況を患者には意味不明な暗号で歯科助手につぶやく。いざ治療が始まれば、脳天まで響くドリルの振動…。
あんなところが「楽しい」と思える人がいたらお目にかかりたい。正直に言って、そう思っていた。だから眉に唾をぐりぐりと付けつつ「日本一楽しい歯医者」というヨリタに足を運んだのだった。
そして取材を終えた結論。ここはどうやら楽しい。患者にとっても、ここで働く人にとっても。
一時は高収入の代名詞のようだった歯科医院も、今や飽和の時代を迎え過剰出店に苦しんでいる。日本全国に6万軒以上の歯科医院があるが、これは4万軒あるコンビニエンスストアの数を優に越えている。過当競争に陥り、廃業を余儀なくされる医院も多い。
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