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なぜ「ネット選挙解禁」でもツイッターは禁止なのか?

――「地デジ」時代の公職選挙法、本質的改正の必要性

2010年6月29日(火)

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 日本国内では参議院選挙が動き始めましたが、カナダ・トロントではG20(20カ国・地域首脳会議)の一連の会談を終えた菅直人総理が、米国バラク・オバマ大統領と初の日米首脳会談との報が入ってきました。各国首脳陣の中で日本は最後に回されたものの、「前回」の日米首脳会談「20分」の2.5倍に当たる「50分」。時間の長さ自体が1つのメッセージになっています。それにしても、日米両国とも市民運動家出身の首脳が安保を巡って協議する時代になったのかと、冷戦後期、ロナルド・レーガン+中曽根康弘両首脳の「ロン・ヤス」時代に10代を過ごした筆者には、かなり「隔世の菅」ならぬ「感」を抱かずにはいられません。

 さて、参院選ですが、候補者は是が非でも当選したい。「落選すればただの人」ですから、できるだけ集票に結びつくよう、歴史を振り返っても明治以来、候補者たちは様々な作戦を立ててきました。そんな中に「個別訪問」や過剰な「ビラ配り」さらには「金配り」「他候補のポスター剥がし」といった「作戦」もあったわけです。そんなことで公正な選挙ができるのか? という真摯な問いあったに違いない中で、戦後定められたのが公職選挙法 (1950年4月15日法律第百号)と、流れを概観しておきましょう。今回のポイントは「ネット選挙」でのツイッター解禁の是非なのですが、まずは「源流」から。

公職選挙法の源流探訪

 公選法が定められた年、1950年と言えば、この連載の媒体であるインターネットやツイッターはおろか、テレビ放送もまだ無かった時代です。それから60年、当時生まれた赤ちゃんが還暦を迎えるまでの間、日本社会は高度に情報化が進み、政治家や選挙の立候補者のみならず、ごく普通の市民が個人ブログを世界公開する時代になりました。

 さて、そんな中ですが、今回は情報ネットワークの観点から「選挙という現象」の全体を、できるだけ外側から客観的に考えてみたいと思うのです。5~6月にかけての急な政局で、今回の参院選では見送られた「ネット選挙」の可能性と問題点を「源流」に遡って検討したいと思います。

 今考えたいのは選挙期間中の候補者の情報発信、中でもツイッターの利用なのですが、「常識の源流探訪」の通例? に従って、問題とされる公選法の条文から確認してみましょう(見直してみると、なかなか興味深い内容が多いです)。第十三条「選挙運動」の中で参院選に関係あるところを抜き出してみます。

(文書図画の頒布)

第百四十二条   衆議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙においては、選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号に規定する通常葉書並びに第一号から第三号まで及び第五号から第七号までに規定するビラのほかは、頒布することができない。この場合において、ビラについては、散布することができない。
(中略)
一の二   参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては、公職の候補者たる参議院名簿登載者一人について、通常葉書 十五万枚、中央選挙管理会に届け出た二種類以内のビラ 二十五万枚
二   参議院(選挙区選出)議員の選挙にあつては、候補者一人について、当該都道府県の区域内の衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区の数が一である場合には、通常葉書 三万五千枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 十万枚、当該都道府県の区域内の衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区の数が一を超える場合には、その一を増すごとに、通常葉書 二千五百枚を三万五千枚に加えた数、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 一万五千枚を十万枚に加えた数(その数が三十万枚を超える場合には、三十万枚)

 ここで私が興味を持ったのは「文書図画」(「ぶんしょ・とが」と読むようです)を「いちまい、にまい」と紙の枚数で数えているところです。元来1950年に出された法律だけに、情報は常にそれを伝える媒体媒質(この場合は紙)と不可分なわけです。今日、テレビやネットワークが普及した高度情報化以降時代、新聞の契約者数も減っている中で、選挙運動をビラの枚数規制で規制して、どの程度有効であるか? むろん枚数規制はそれとしてあるでしょう。しかし有権者に本当に情報を告知することを考えれば、この条文の効力はかなり薄くなっている可能性が高いことに注意したいと思うのです。

 もしこれがウェブサイトなら、選挙公報ページを1枚だろうと30万枚のバカ重いのを作ろうと、告知の効果はブラウズの回数で測るべきものですから、アクセスカウンターでもつけない限り、告知の実効性とは無関係になるでしょう。

 選挙期間中、候補者が自分のブログを更新したり、ツイッターで呟いたりすることが、この「文書図画の頒布制限」に抵触するか? しないか? という議論がありますが、率直なところを言えば、上のような問題(情報と媒体の関係が根本的にずれている=アクセスごとに生成される情報については公選法がほぼザル状態である現実)があることから、論点が完全にずれているように思うのです。

「ちょうちん」規制はどの程度有効か?

 さらに法律を読み進めてみると公選法第百四十三条は興味深い(というか、正直なところ滑稽)な文言になっています。現行法の中に埋もれた「化石」を発掘してみましょう。

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