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プリウスのリコールが浮き彫りにしたモノ作りの“死角”

再生のカギは、「心」の付加価値向上にあり

  • 常盤 文克

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2010年6月30日(水)

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 前回は、トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」などの一連のリコール問題を受けて、モノ作りのあり方を再考しました。技術の側面から論じ、技術への過信があるのではないかと指摘しました。

 今回は、このリコール問題によって提起されたモノ作りの問題点を、別の角度から考えてみたいと思います。

 モノ作りには、「技(技術)」と「心(精神)」の2つの側面があります。前回でも論じたように、技術に偏りすぎたモノ作りは必ず綻びが生じます。

 技術偏重から脱却するには、モノ作りのもう1つの側面である「心」を忘れてはなりません。今回は、この心の視点からモノ作りのあり方を論じてみます。

 まず考えなければならないのは、「モノ」とは何か、についてです。何気なく使っている言葉ですが、改めて「モノとは何ぞや」と問われると、答えに窮する方も多いのではないでしょうか。

 モノとは何か──。私は、大きく分けて3つの位相があると考えています。物質的な存在を示す「物」、人を指す「者」、そして人の心を意味する「魂」の3つです。

 モノとは、多次元で多義のグラデーション(広がり)を持つ言葉であり、モノ作りとは単に技術だけではなく、人の感情や価値観が複雑に絡み合っているものです(本コラムでは特に強調しない限り、一般化して「モノ」と呼ぶことにします)。

モノには“魂”が宿っている

 古くから、モノには生命(魂)が宿っている、という考え方があります。紀元前500年前後にギリシャの哲学者・ヘラクレイトスらが唱えたもので、後に「物活論(ハイロゾイズム)」と呼ばれるようになりました。

 東洋にも同じような考え方があります。中国の思想家・荘子が「万物斉同」を唱え、あらゆるものは等しく同じ存在である、と説いています。人工物や自然物、また生物や無生物といった区別を超えて、あくまでモノはモノだというわけです。

 仏教の世界でも、モノとは私たちの生活を支えてくれる存在であり、感謝の対象です。モノには「いのち」や「心」が宿り、私たちとの対話があるとの考えが背景にあります。

 針供養や筆供養などの神事では、使い終わった針や筆のような人工物にも霊魂が宿っているとして、モノに感謝の気持ちを表します。モノは「合掌」の対象なのです。

 職人が自分の道具や作り上げたモノを大切にするのは、モノ作りという作業を通じて、職人が作り手としての自らの思いをモノに託し、モノに感情移入するからです。そこに作り手の思いや魂がこもっているからこそ、人を感動させるようなモノが生まれてくるのです。

 さらに、モノの使い手の思いも、そこには入り込んできます。手作りのバッグ(鞄)の専門メーカーで、女性に人気を博している「イビサ」(東京都港区)の吉田茂会長はかつて、次のように語っています。

コメント4件コメント/レビュー

洗濯機とか冷蔵庫とか炊飯器とか電気ポットとか掃除機とか、そんなに思い入れできないっすけど。(2010/07/01)

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いただいたコメント

洗濯機とか冷蔵庫とか炊飯器とか電気ポットとか掃除機とか、そんなに思い入れできないっすけど。(2010/07/01)

大学での要素研究や化粧品・洗剤などの開発と,自動車の開発の差分=システムや使われ方の複雑さ,市場の違いを加味して論じられているようには見えない.(2010/07/01)

ブランドにとってモノとは 顧客との対話のためのメディアである。人を感動させるためには 言葉に魂が必要な様に、同じ意味合いにおいてモノにも魂が必要である。しかしモノ作りの分断化、モジュール化が進み結果としてバラバラの意思の集合体、出来合いの部品の寄せ集めでしかなくなってしまったモノが何かを伝えることができるだろうか。ふたたび言葉に置き換えてみよう。単語ごとに違う人間が発した言葉で人を感動させることができるのか。編集が曖昧で一つひとつの記事は優れているが全体としてバラバラな雑誌が長く売れ続けることができるのか。社会全体が同じ方向を向いていれば、それでも問題なかったかもしれないが、今はそういう時代ではない。(2010/06/30)

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