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障害者雇用のフロントランナー、ユニクロの理念

ファーストリテイリング《前編》

  • 高嶋 健夫

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2010年7月5日(月)

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 従業員数5000人以上の大企業の中で、障害者の法定雇用率が最も高いのはどこか。それは、カジュアル衣料品ブランド「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングである。2009年6月1日現在の雇用率は8.04%。障害者雇用促進法が定めた1.8%の法定雇用率をはるかに上回り、産業界の中でも突出した水準を達成している。このことは障害者問題に詳しい人を除けば、意外に知られていない事実であろう。

 ファーストリテイリングが積極的な障害者雇用に乗り出したのは、業容が急拡大する一方で法定雇用率が1%台に低迷していた2001年3月。柳井正社長(現会長兼社長)の号令一下、「1店舗1人」の障害者雇用を目指す取り組みを開始し、翌2002年には一気に6%台の雇用率を達成。

 それ以降、現在まで着実に雇用実績を伸ばしてきた。その推移は、ユニクロそのものの急成長とまさしく軌を一にする。そこには、どのような仕組みやノウハウがあるのだろうか。ユニクロの“もう1つの快進撃”の秘密を探った。

 まずは、ファーストリテイリングの驚くべき障害者雇用のデータから見ていこう。

(ファーストリテイリング資料)

 このグラフは、2001年以降の障害者雇用率の推移を表したもの。2001年には法定雇用率以下の1.27%に留まっていた雇用率は、2002年には5倍の6.35%に急拡大。さらに、その2年後、2004年には7.55%と7%台に乗り、2008年には8.06%に達している。昨年(2009年)は8.04%とわずかに低下したが、依然として8%台を維持。今年6月1日現在の実績も、「ほぼ前年並みの水準を保っている」(ファーストリテイリング)という。

 雇用者の実数は、2009年6月時点で763人。障害者雇用促進法では重度障害者は1人雇用すると雇用率の積算上は2人と見なされる。このために、計算では「922.0カウント」となり、1万1000人強の常用雇用者(従業員)に対する雇用率が8%を超えるというわけだ。

あくまでも戦力としての雇用

 雇用している人たちの障害別の内訳は、軽度の知的障害者32.7%、重度の知的障害者29.8%、重度の身体障害者14.7%、軽度の身体障害者12.8%、精神障害者10.9%となっている。

 重度と軽度を合わせて、知的障害のある人が全体の6割強を占めているのが最大の特徴だ。他方、身体障害のある人については、視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者、内部障害者(心臓のペースメーカーや人工膀胱、人工肛門を使っている人など)と多岐に及ぶ。

 注目すべき点は2つある。1つは、すべての人が現場の店舗に配属されており、ファーストリテイリングは特例子会社を設置していないこと。もう1つは、全盲の人と車いす使用者が、現在は在籍していないこと。

 これらはファーストリテイリングの障害者雇用に当たっての考え方を明快に示している。一言で言えば、「障害者の採用は福祉目的で行っているのではなく、あくまでも企業の戦力になってもらうため」「障害のあるなしに関係なく、ユニクロで力を発揮でき、継続して働いてもらえる人」なのだ。

 ファーストリテイリング東京本部CSR部産業カウンセラーの重本直久さんは「障害のある人の中には残念ながら、当社には活躍できる場所がない方もいらっしゃいます。そうした人たちを雇用率目的で採用するといようなことは一切ありません」と、方針を説明する。

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