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iPadは伝統メディア巻き返しの切り札 ――課金で縮まるネット企業との距離

『グーグル秘録』のケン・オーレッタ氏に聞く[エピソードIII]

  • 土方 奈美

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2010年7月5日(月)

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 米グーグルの躍進と伝統メディアの凋落は、今後も続くのだろうか。優れたジャーナリズムや文芸作品は、非効率性といった伝統メディアの“負”の部分とともに過去の遺物となるのだろうか。それともネット時代に適したビジネスモデルが生まれ、息を吹き返すのか。

 5月中旬、早稲田大学で講演したケン・オーレッタは「未来は不透明だが、私は多少楽観している」と語った。2008年秋のリーマンショック以降、ネット企業の姿勢に、ある重要な変化が見えつつあるからだ。

「課金は加速度的に進む」

 広告を唯一の収益源とするビジネスモデルの危うさに気づいたネット企業は、新たな収益源としてコンテンツへの課金を検討し始めた。その結果、ネット収入の拡大を目指す伝統メディアとの距離は着実に縮まっているという。

 講演では『グーグル秘録』でも紹介した、「インターネットに初めからシンプルで分かりやすい、少額決済の機能を埋め込んでおくべきだった」という米スタンフォード大学学長でグーグル取締役のジョン・ヘネシーの発言を紹介しながら、「今後はネット上で月極め購読契約や少額決済といった課金モデルを確立できるかがカギになる」と語った。

グーグル秘録 完全なる破壊』(文藝春秋)ケン・オーレッタ著、土方奈美訳 1900円(税別)

グーグル共同創業者であるラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンをはじめとする経営トップや社員に150回ものインタビューを敢行。テレビや新聞、広告など“伝統メディア”の有力者に対する取材も交えながら、「グーグル化される世界」をまとめている。

 課金をキーワードとする、ネット勢と伝統メディアの新たな関係を象徴する事例としてオーレッタが挙げたのは、グーグル傘下のユーチューブと、米アップルのパッド型端末「iPad(アイパッド)」だ。

 ユーチューブでは、ユーザーの投稿するコンテンツに頼っている限り、黒字化が望めないことが明白になった。広告を集めるにはプロの制作するコンテンツが不可欠であり、既に5大映画会社と契約を結んだ。プロにコンテンツを制作してもらう資金を得るには、ユーザーへの課金が必要になる。「課金は加速度的に進むはずだ」とオーレッタは断言する。

 iPadについては、コンテンツの無料化や低価格化を推し進める勢力に対する、伝統メディアの巻き返しの切り札になると見る。米国では大手新聞社と提携し、月間購読料を徴収する仕組みを取り入れた。それ以上に重要なのが、電子書籍市場における役割だ。

 米アマゾンの電子書籍端末「Kindle(キンドル)」の登場によって、米国の電子書籍市場は爆発的な成長を遂げている。書籍販売に占める割合は現在5%程度だが、数年以内に30%を超えるという見方もある。

 だが圧倒的な市場シェアを獲得するため、出版社から13ドル前後で買い取った電子書籍を赤字も厭わず原則9.99ドルで販売するアマゾンに対し、出版社は「“本は1冊10ドル以下で買うもの”という意識を広めてしまう」という危機感を募らせてきた。

自助努力の必要性を力説

 それに対しアップルの「iBookstore(アイブックストア)」では、上限はあるものの出版社が販売価格を決められる。ベストセラーの場合14.99ドルという“高値”で販売することもできる。

「翻訳者が接した『グーグル秘録』」のバックナンバー

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