「日経ビジネス」は6月28日号で以下のような特集を組んだ。「日本一楽しい職場――『もしドラ』を超える現実があった」(購読申し込みはこちら)。
長引くデフレとグローバル競争の激化で多くの企業には閉塞感が漂う。個々の職場に目を転じても、強いられる効率化と求められる成果の重みで職場に吹く風は滞る。「毎日でも会社に行きたい」。胸を張ってこう言い切れるビジネスパーソンはそれほど多くないのではないだろうか。
だが、つまらない職場に未来はない。
この国は今、時代の転換点に立っている。新興国が猛烈な勢いで飛躍する一方、足元を見れば、会社は閉塞感ばかりで成長の芽に乏しい。日本を牽引した製造業はより高い付加価値を求められ、国内ではサービス産業が経済成長の主体となりつつある。
この時代に必要なのはイノベーションであり、顧客を感動させるサービスだ。そして、それを実現するのは楽しい職場にほかならない。この特集に関連して、「楽しい職場」として定評がある職場を描く。2回目の今回は大阪・吹田のEC studio。
| 【目次】 |
| ・スター美容師 どん底で気づいたもの――本誌p.20 |
| ・赤字必至の建設現場はなぜ黒字に変わるのか――本誌p.22 |
| ・僕が職場で輝く理由――本誌p.26 |
| ・チーム成島の栄光――本誌p.30 |
| ・大企業も現場から蘇る――本誌p.34 |
| ・日本一楽しい歯医者――6月28日公開 |
| ・究極の「働きやすさ」を追求――6月30日公開 |
| ・15年続く「泣ける朝礼」――近日公開予定 |
(日経ビジネス、篠原匡)
大阪・吹田にEC studio(山本敏行社長)という不思議なベンチャー企業がある。本社は幹線道路沿いの一軒家。JR吹田駅から15分ほど歩いたところに立っている。事業内容はIT(情報技術)を用いた経営改善支援。かみ砕いて言えば、企業のホームページの売り上げアップ支援などが主な業務である。
創業は2000年。ITバブルの最盛期、山本社長が米国留学中に起業した。資本金は1414万円、従業員33人、売上総利益も5億7000万円(2010年3月期)に過ぎない。一見すると、どこにでもありそうなITベンチャー。だが、EC studioは恐るべき素顔を隠していた。会社に対する従業員の満足度が極めて高いという素顔を。
吹田ベンチャーの恐るべき素顔
従業員のモチベーションにフォーカスした経営コンサルティング会社、リンクアンドモチベーションは「Employee Motivation Survey」という組織診断サービスを提供している。従業員にアンケートを取り、企業と従業員の関係や従業員同士の関係を調査。従業員が求めている項目と実際の満足度を比較するというものだ。

大企業から中小企業まで年間100社ほどが受けているこの調査。今年3月、EC studioは関西一の称号を手にした。それも2年連続の関西一。総合得点も極めて高いものだった。それだけ、従業員に働きがいのある会社ということだろう。
なぜ無名のベンチャー企業が高い評価を得ているのか――。不思議に思って吹田の本社を訪ねてみると、「楽しい」「働きがいがある」などと言う以前にすこぶるユニークな会社だった。ビジネスモデルも社内制度もすべて、である。なぜ働きやすいのか。何がどうユニークなのか。とりあえず、事業内容を見てみよう。
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