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減価償却費が変わる

耐用年数“延長”で償却費減だが…

2010年7月5日(月)

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 東京ガスの吉野和雄・常務執行役員CFOには最近、1つの心配事ができた。「IFRSの適用に合わせて設備の減価償却方法が変わらないだろうか」。

 特に差があるのは固定資産の耐用年数。日本では会計基準で耐用年数を定めておらず、法人税法の規定に従っているが、IFRSでは、耐用年数を実態に合わせるとしている。

償却に経営の意思を入れない

 しかし、設備の実際の耐用年数よりも税法の耐用年数の方が短いケースが多くなっており、ガス業界も主要な設備投資のパイプラインは税法上、耐用年数が13年と「実態よりも短くなっている」という。

 これを実際の耐用年数に合わせるということは、償却期間が長くなり、毎年の償却額が減るということになる。設備の償却とは、会計上、費用計上して資産などの価値を落とすこと。その償却の費用を落とすとなるとガスの原価が落ちるので料金認可制のガス業界では料金自体が下がり、売り上げ減になるというのである。

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 だが、一方で「海外のガス田開発のために、設備投資は今、年間1500億円と償却額を大きく超える水準になっている。ここで償却額が落ちれば、何らかの資金調達も考えなければいけなくなるかもしれない」(吉野常務)。

 耐用年数の伸びが、減価償却費減になり、ひいては料金引き下げにつながりかねない構造は、公益事業の特殊性でもあるが、そこを除けば多くの企業に共通する難題でもある。

 加えて言えば、日本の場合は2007年度の税制改正で企業の償却率を2.5倍にできる加速度償却を始めたばかり。税法がこれからすぐに変わる可能性は低いと見られ、このままいけば会計と税務の差が一段と開くことにもなりかねない。

 ただ、減価償却の問題の裏には、日本企業にとっての課題もいくつか潜む。1つはやはり、原則基準のIFRSとルールベースで、企業の意思が入りやすい日本基準との差である。

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 例えば、減価償却の方法は、日本基準では設備などの耐用年数の期間中に毎期、一定の率で償却するか、一定額で償却するかを選択できるが、「実態としては(早期に多額の償却ができる)定率法が中心になっている」(あずさ監査法人の公認会計士、山辺道明氏)と言われる。

 2.5倍の加速度償却を含め、課税所得を抑えたい企業の意思がそこにあるのはまちがいないだろう。

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「減価償却費が変わる」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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