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危機感を持てない日本人社員を覚醒させる

長谷川閑史・武田薬品工業社長が「根拠なき楽観」を斬る

2010年7月5日(月)

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 国内製薬最大手の武田薬品工業。売上高営業利益率が3割を超える日本屈指の高収益企業として、他産業からも注目されてきた同社の営業利益が、3年後の2013年3月期にピーク時の約3分の2の水準まで激減する──。

 国内外の製薬大手を襲う「2010年問題」。各社の主力薬の特許が2010年前後に相次いで失効し、直後から後発医薬品にシェアを奪われて収益が著しく減少する事態を指す。その衝撃の大きさに医療産業が揺れている。

 この問題は、ほかの産業にとって他人事ではない。2010年問題の本質は、安価な類似品の登場による値崩れ、技術革新に伴う従来技術の陳腐化といった、どの産業にも起こり得るパラダイムシフトであるからだ。

 「日経ビジネス」では、2010年7月5日号で特集「武田も揺るがす『2010年問題』」を掲載。産業の大転換点を迎え、その対応に後れを取って巻き返しを図る国内企業や、危機を乗り切って先行する海外企業の実例などを紹介した。

 このコラムでは、特集の連動企画として、2010年問題への対応で陣頭に立つ企業の経営トップや専門家のインタビューをお届けする。

 初回は、来年に創業230周年を迎える長い歴史の中で、最大の窮地に陥った武田の長谷川閑史社長。今年5月に新たな中期経営計画を発表し、既存の組織や制度に大ナタを振るい始めた。その大変革の狙いや再生への道筋を語った。

(聞き手は中野目純一=日経ビジネスオンライン記者)

 ── 今年5月に新たな中期経営計画を発表されました。まだ前回の中計の実施時期間が終了していないにもかかわらず、前倒しで作成したのはなぜですか。

長谷川 閑史(はせがわ・やすちか)氏
1946年生まれ。70年早稲田大学政治経済学部卒業、武田薬品工業入社。93年米アボット・ラボラトリーズとの合弁会社であるTAPファーマシューティカルズ社長。95年TAPホールディングス社長。医薬国際本部長、経営企画部長、事業戦略部長などを経て、2003年6月社長に就任。2010年5月から新薬メーカーの業界団体である日本製薬工業協会の会長を務める。(写真:菅野 勝男)

 長谷川 2016年3月期に医療用医薬品の売上高で2兆円を見通せる新薬の候補を揃える、といった前回の中計の目標を達成できないだけでなく、今後4年ほどは業績が悪化する事態を招いてしまったからです。

 そこから一刻も早く脱出するため、新しい中計を作成し、大胆な変革を実行していくことにしました。変革の一部は既に実行しています。

 まず昨年7月、それまでは国内にあった医薬開発本部を、米国のシカゴに移しました。これは、我が社にとって最大の市場である米国の規制当局や医療現場の動向を常に反映しながら、医薬品の開発を行うためです。

 従来は国内の研究所が見つけた新薬の種(シーズ)を、臨床試験を経て製品化すればよかった。現在はこうした研究開発部門が主導して開発を進めるやり方では、なかなか新薬を作り出せなくなっている。

 規制当局や医療現場の動向に詳しいマーケティングサイドの情報を反映する重要性が高まっているのです。そこで医薬開発本部を思い切って米国に移したわけです。

コメント11件コメント/レビュー

日本人が日本を捨ててどうする?(2010/07/07)

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「危機感を持てない日本人社員を覚醒させる」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日本人が日本を捨ててどうする?(2010/07/07)

豊かさと安定を求めるのは人間として当然のことであり、武田薬品の社員の方々もその目標に向かって努力された結果が18年連続の増収でしょう。その中で、予想された特許切れの問題などの経営課題に先手を打っておくのは経営トップの仕事ではないでしょうか。「いくら警鐘を鳴らしても、部下に危機の実感がない。」などというのは、経営トップのリーダーとしての力量がないことを自ら認めているようなもの。さっさと退陣すべきでしょう。どうしようなくなってしまってからショック療法に走られるなど、社員にしてみればこれまで頑張った甲斐もなくモチベーションが下がるだけではないでしょうか。また、一度手に入れた豊かさ安定を自ら手放すことなどないわけですから、ハングリー精神を見習うと言っても上っ面だけになるのは眼に見えています。むしろ自己実現の欲求に則ったチャレンジ精神やフロンティアスピリットの醸成によって競争力を維持できなければ、先進国家のにおいて事業を継続していくことは不可能でしょう。そのような地道な努力をせずにカンフル剤としての外国人幹部を登用などという安易な方法に走るのは「危機感が最もなかったのは経営者ではないか?」とも思えます。(2010/07/06)

本当に国際的な企業になりたいのであれば、日本人社員、外人社員ではなく、国籍を一切気にしない雇用になった時である。そうなれば、会社として発展するかどうかは、まったくわからないが。(2010/07/05)

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