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イノベーション大国スイスの神髄はここにあり

ロシュのシュバンCEOが明かす「2010年問題」の克服法

2010年7月7日(水)

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 主力薬の特許が失効して、直後から後発医薬品が出回り、売り上げが激減する「2010年問題」。国内だけでなく海外の製薬大手の多くもこの問題を克服できず、大手同士の合併による製薬業界の大再編が起きた。

 背景には、創薬技術の中心が化学合成による低分子医薬からバイオ医薬へと移り始め、医薬品の研究開発も自社ですべてを手がける形から、バイオベンチャーとの提携を軸とした形にシフトし始めたことがある。

 技術革新による従来技術の陳腐化、自前主義の「クローズドイノベーション」から外部との連携による「オープンイノベーション」への転換──。IT(情報技術)産業などで起きたパラダイムシフトが製薬業界にも押し寄せ、その波に欧米の大手さえも乗り遅れたわけだ。

 そうした中、1990年に米国のバイオベンチャーに出資するなど、いち早くパラダイムシフトに対応して急成長。今や医療医薬品の売上高で世界3位に躍進したのが、スイスのロシュだ。

 ライバルの多くが、低分子医薬で1品目当たりの年商が1000億円を超えるブロックバスター(大型新薬)の開発に傾倒する中、追随せずに異なる道を進んだ。それができたのはなぜなのか。

 2009年の売上高が491億スイスフラン(約3兆9280億円)に達した巨大企業のトップに、40歳の若さで就任したセヴリン・シュバンCEO(最高経営責任者)に聞いた。

(聞き手は中野目純一=日経ビジネスオンライン記者)

 ── 他社にはないロシュの独自の強みは何でしょうか。

セヴリン・シュバン(Severin Schwan)氏
1967年生まれ。オーストリア出身。同国インスブルック大学や英オックスフォード大学などで経済学を学び、91年に卒業。その後、インスブルック大学などで法学を学び、93年に博士号を取得。同年ロシュに入社。主に財務部門を歩み、2006年にロシュの診断薬子会社ロシュ・ダイアグノスティクスのCEO(最高経営責任者)。2008年から現職。

 シュバン ロシュの歴史を振り返ると、医療の進歩とともに成長してきたことが分かります。従来はなかった治療薬を病気で苦しむ人々に提供してきたから、当社も飛躍できたのです。

 医療の進歩に乗り遅れないためには、最先端の医療や科学の動向を常にフォローする必要があります。それを徹底してきたおかげで、1990年代の初期のバイオベンチャーの台頭を見逃さずに済んだ。バイオ医薬が破壊的な技術で、医薬品の開発に新たなイノベーションをもたらすと見抜くことができたのです。

 そして当時は、米シリコンバレーの小さなバイオベンチャーにすぎなかったジェネンテックに出資した。同時に「PCR法」と呼ばれる遺伝子診断法など分子診断技術にも投資しました。これも、医療の進歩が向かう先を注視してきたから、実行できたことです。

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「イノベーション大国スイスの神髄はここにあり」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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