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「体内時計」が解き明かす生命の本質

  • 瀧本 大輔

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2010年7月8日(木)

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 主力薬の特許が2010年前後に相次いで失効し、後発医薬品にシェアを奪われて収益が激減する「2010年問題」。多くの日本の製薬会社は、バイオ医薬や抗体医薬といった次世代の医薬品へのパラダイムシフトに乗り遅れ、かつてない危機に立ち向かおうとしている。

 その一方で、次世代をリードする可能性を秘めた先端医療技術の芽は確実に存在する。この連載では、2010年7月5日号の特集「武田も揺るがす『2010年問題』」の連動企画として、世界の先頭集団を走る日本発の先端医療技術を取り上げる。

 第1回は、生物の生活サイクルを左右する「体内時計」を研究している理化学研究所の上田泰己プロジェクトリーダーの取り組みを紹介する。時差ぼけの原因ともされる体内時計だが、そのメカニズムを理解することが生命のシステム全体の解明につながる。医療のパラダイムシフトを加速させる可能性を秘めた研究の最新事情を紹介しよう。

 生命の本質を解き明かす可能性を秘めた研究で、世界をリードする研究者が日本にいる。「体内時計」の研究の第一人者として知られる、理化学研究所の上田泰己プロジェクトリーダー(34)である。

上田 泰己(うえだ ひろき)氏
1975年9月生まれ。93年4月に東京大学医学部に入学後、97年にソニーコンピューターサイエンス研究所に研究アシスタントとして入所。99年に山之内製薬(現アステラス製薬)で研究に加わり、研究員となる。東大大学院医学系研究科に在学中の2003年、理化学研究所の発生・再生科学総合研究センターで、大学の教授職に相当するチームリーダーに27歳で就任した。体内時計研究の第一人者として世界的に注目されている。 

 体内時計といっても、目に見えるメカニズムが時を刻んでいるわけではない。脳の中心部にある視交叉上核(しこうさじょうかく)と呼ばれる神経細胞の集合体などが、遺伝子レベルで一定のリズムを刻んでいるものだ。

 この体内時計のリズムが正確に刻まれることで、昼間に活動し、夜に眠るという人間の生活サイクルが、約24時間周期で繰り返される。人の睡眠や血圧、体温の変動、ホルモン分泌なども、体内時計の「時刻」に沿って制御されている。

 人がほぼ決まった時間に目覚め、空腹になり、そして眠くなるのは、体内時計が正常に働いているからだ。このリズムや時刻に狂いが生じれば、身体がだるくなったり、寝る時間ではないのに眠くなったりする。

 分かりやすい事例は時差ぼけだが、うつ病や登校拒否症のような心因性の病気も、体内時計の狂いが一因になるという。体内時計は人間にとって、「生きる」ことと密接に関わる、極めて重要なシステムなのだ。

大学3年で医療の限界を感じ、27歳で教授相当職に

 この体内時計の研究で先頭を走る上田氏は、大学の教授職に相当する理研のチームリーダーに、大学院生だった27歳の若さで抜擢された異才である。東京大学医学部に現役で入学したが、早くも学生時代に現代医療の限界を感じ取ったのが、生命科学の道に進んだきっかけだった。

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