• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「100倍効果」で世界標準を握る

協和発酵キリンの花井陳雄・専務執行役員が事業戦略を語る

  • 瀧本 大輔

バックナンバー

2010年7月8日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 主力薬の特許が2010年前後に相次いで失効し、後発医薬品にシェアを奪われて収益が激減する「2010年問題」。世界中の製薬会社がバイオ医薬や抗体医薬といった次世代の医薬品へのパラダイムシフトを進めていく中で、大きな存在感を放っている日本企業がある。

 それが協和発酵キリンだ。人間の免疫反応を利用して病気を治療する「抗体医薬」の基礎技術をいくつも押さえ、製薬のバリューチェーンを築くために欠かせない存在になっている。中でも、抗体医薬の効果を100倍にまで高める「ポテリジェント」技術は、世界中の製薬会社の垂涎の的だ。

 今後の製薬業界において、また加速する医療のパラダイムシフトにおいて、どのような役割を果たそうと考えているのか。研究開発のトップである開発本部長の花井陳雄・専務執行役員に聞いた。

(聞き手は瀧本 大輔)

 ── 協和発酵キリンは抗体医薬の効果を100倍に高める「ポテリジェント技術」を持つなど、バイオ医薬のバリューチェーンで非常に大きな存在感があります。業界全体がバイオ医薬の開発に乗り遅れ、新薬不足に陥る「2010年問題」に苦しむ中で、なぜここまで強みを発揮できるようになったのでしょうか。

花井 陳雄(はない・のぶお)氏
1953年4月生まれ。1976年4月に協和発酵工業に入社。ポテリジェント技術の開発初期から関わる。2003年2月に米国子会社・バイオワの社長に就任し、抗体医薬の技術ライセンス事業を推進した。2010年3月、専務執行役員開発本部長。
(写真:菅野 勝男)

 花井 国内の製薬大手は、1980年代からバイオ医薬に熱心に取り組んでいました。ところが90年代に入ると、各社とも従来の低分子医薬のグローバル展開に進んでいきました。バイオは切り捨てられたと言っても過言ではないのです。バイオからの方向転換。それも1つの経営判断ですが、結果的に「2010年問題」が起きたと言ってもいいでしょう。

 我々は幸か不幸か、その戦略を採れなかったんです。我々の強みはバイオ技術にあるわけですから、その強みを生かしていこうとの経営判断があったのだと思います。バイオ技術でトップレベルの会社になろうという当時の経営陣の思いが、技術者にも伝わったのです。

 2008年10月に合併する前の旧キリンファーマは、実験用マウスの体内でヒトと同じ抗体を作り出す「KMマウス」と呼ばれる技術を持っていました。旧協和発酵には、抗体医薬の効果を飛躍的に高める「ポテリジェント技術」がありました。両社とも世界に通用する優れた技術を持っていたのです。

 その中でも、やはりポテリジェントのインパクトが大きかったと思います。抗体医薬の効果を100倍に高めるというのは、もはや技術改良という域を超えて、画期的と言ってもいいでしょう。だからこそ、それが事業の柱になるという判断がありました。

 中でも、2007年にスイスのロンザと提携したことは大きな意味がありました。ロンザが保有する高生産性バイオ医薬品生産技術と、ポテリジェント技術とを組み合わせることで、非常に活性の強い抗体を作れるようになりました。これをきっかけに、世界中の企業に使ってもらおうという動きを加速させました。

コメント1

「医薬激震、こう乗り切る」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授