• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

タコに当落予想されてたまるか!

――選挙予測の責任主体はどこにあるか?

2010年7月13日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 7月11日の参議院選挙は「予想」を上回る民主党の惨敗という結果で終わりました。皆さんの「予想」はいかがだったでしょうか? またこの結果をどう「読まれ」ますでしょうか? 選挙が終わるとすぐ数字と政局の話になりますが、あまり、いい意味で誰かの顔の見える建設的な話になっていないような気がします。

 そこで、こうした選挙前後の状況をメディアから考えるうえで、(国の未来を左右する)選挙よりはるかに盛り上がって見えた、ワールドカップ・サッカー周辺の話題から、ちょっと考え直してみたいのです。

的中率100%の「予想タコ」?

 今回のワールドカップ、特に欧州では「タコ」の話題が大いに盛り上がりました。「タコって何?」という人もおられるでしょう。読売新聞7月12日朝の記事から引用してみましょう。

タコ予想8戦8勝、最期? の予想はスペインV

 予言は最後まで的中した。
 ドイツ戦の試合結果をすべて当ててきた独西部オーバーハウゼン水族館のタコ「パウル君」は、スペインが勝った決勝の予想もズバリ的中させて、足の数と同じ8戦8勝の成績でW杯南アフリカ大会を締めくくった。
 ドイツ戦以外を予想するのは初めてで、2008年の欧州選手権では決勝の予言を外したこともあった。しかし、そんな不安も吹き飛ばした。タコの寿命は3歳前後のため、2歳のパウル君にとっては最後の予想となった。

(読売新聞 7月12日9時59分配信)

 ドイツ西部の「オーバーハウゼン水族館」では、どうも以前からサッカーゲームの勝敗に関する「タコ占い」を行っていたようです。今回の報道に接するまで私も知らなかったのですが、「前回は外しており」といった記事からソレと察せられました。

 「タコ占い」は、こんな具合にして行われます。

 「パウル君」の水槽の中に、たぶんアクリル製なのでしょう、透明のケースが2つ沈められます。箱には試合で戦う2つのチーム名や国旗がつけられており、中にはタコの大好物の貝が。タコは「蛸壺」に入る習性がありますが、どうやら1回「蛸壺」に入ると出てこない「ドつぼにハマる」性質らしく、これでサッカーの勝敗予測を占おうというわけです。

 さて、ドイツでこうしたサッカーの試合結果が予測される背景には、生活に浸透したサッカーくじがあるように思います。単に試合の勝ち負けがある以上に、ギャンブルの対象として「どちらにいくら賭けるか」も興味の焦点となる。だから実際のゲームより前に「こちらが勝つだろう」「いや、あちらが」という予想屋の情報が社会的に意味を持ちます。

予想するのはあくまで「人間」

 改めてここで言う必要はないと思いますが、念のため明記しておきたいのですが、タコにサッカーの試合結果を予測する能力はないと思います。というより、サッカーという概念も、その勝敗も、理解することはできない。海中で極端に限られた視界しか持たないタコです。陸上での試合の模様を見ることはおろか、2つのアクリル箱に取り付けられた、ドイツやスペインの国旗を見ることもできないでしょう。それら国旗の意味する国や国名を理解することがないのも、言うまでもありません。

 「このタコには神秘的な予知能力がある・・・」といった、この予想興行が成立する以前の香具師的な前史ははしょられ、報道上「試合結果をすべて当ててきた」「今回もズバリ的中」といった文字が(タコ以上に)躍りますが、タコは単に自分の好物の貝をその都度食べているのに過ぎない。つまるところ、自分が「予想」をしているという意識もないし、当然ながら予想など一切していない

 これを「予想だ」と飾り立てて喧伝するのは、すべて人間のなせる業であることを、改めて確認しておきたいと思います。というのも、高い教育水準が浸透した私たち日本人の大半には「しょせんはタコの偶然の行動」と思われるこの「予想」も、広いワールドカップ参加国には一部、迷信深くて「本当にタコが超能力を使って未来を予言している」と思い込む人がいないとも限らないからです。

コメント25

「伊東 乾の「常識の源流探訪」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員