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M&A後の「のれん」が変わる

一部を「無形資産」ととらえることに

  • 森山 太郎

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2010年7月14日(水)

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 IFRS(国際会計基準)を導入すると、「のれんの償却費負担がなくなり、その分、企業のM&A(合併・買収)がしやすくなる」とよく言われる。

 のれんとは、買収先企業の買収額がその企業の純資産(資産-負債のこと)を超える部分のこと。事業を続けてきたことで得る価値、つまり単なる純資産を超えた無形の価値(超過収益力)をしめす。

 のれんを償却するかしないかは、日本の会計基準とIFRSの異なる点だ。だが、実はそののれんのとらえ方自体がこれまでの日本基準とは異なる。具体的に言えば、下の図のように、IFRSでは従来、のれんとされていた部分の一部を無形資産ととらえるのである。

 無形資産は基本的には償却を行い、のれんはIFRSでは償却しないからそこに大きな差がある。一般にIFRSが適用になると、のれんの償却負担がなくなるからM&Aがしやすくなると単純に考えられがちだが、実はそうではないのである。

 これまでならのれんにとらえられていたかもしれない部分で、IFRSでは無形資産になるものとしては、「特許技術」、「商標」、「顧客リスト」、「仕掛り中の研究開発(図表では「IP R&D」と表示している)」などがある。

 ただ、企業によって図中のA社のように無形資産ととらえる割合が大きいと、のれんの割合は小さくなるし、逆ならのれんが大きくなる。

のれんが大きいM&Aは難しくなる

 投資家から見ると、買収側の企業が、被買収企業のどの無形資産を認識したかが分かるようになるとも言える。その意味では、買収側は「何を買ったM&Aなのか」の一端を知ることができる。図のA社とB社は、「特許技術」と「仕掛中の研究開発費(IP R&D)」に価値を見出したM&Aだというわけだ。

 図のA社とB社を比べると、A社は無形資産の金額が1300億円と大きいが、B社は600億円と相対的に小さい。無形資産の割合が大きいということは、既に確立されている特許技術や、製品販売額を予測できる開発途中のテーマがあるとも言えるわけで、A社はB社より成熟した企業と見ることができる。

 一方でのれんの割合の大きなB社は、無形資産として計上できない、例えば、従業員の独創性であったり、不確実な研究開発のようなものに価値を見いだしていると言うことができる。ベンチャー企業のM&Aで多く見られるケースである。

 もちろん、これほど典型的ではなく、単に買収価格が高い、つまりプレミアムが高い場合ものれんの割合が高くなるから注意は必要だ。

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