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第40話「でも、若い有能な従業員は先輩の命令に振り回され、かけがえのない時間を浪費している」

2010年7月14日(水)

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これまでのあらすじ

 日豊自動車の松田義一社長は、アジアで競争力を持つ、低価格のガソリンエンジン車を開発するよう、専務の湯浅に命じていた。その結果、新型車「メイ」の発表が決まった。しかし、目標の性能を実現するためには、エネルギーロスをさらに減らさなくてはならなかった。湯浅はヒノハラに協力を求め、ヒノハラでは部品の開発に全力を注いでいた。

 達也のシンガポール大学時代の親友ジェームスは、上海の投資会社で新しいスタートを切っていた。上海では、やはり大学の同窓であるリンダが「李団 有限公司」という自身の会社を立ち上げ、達也との自動車部品ビジネスを実現するための準備をしていた。

 達也のビジネスモデルは、「金子順平が開発した製品を日本で量産し、上海にあるリンダの会社に輸出。リンダは親戚一族のルートを使って、中国の主要メーカーに販売する。資金はジェームスの会社に出資を頼み、3年後をメドに株式公開する」というものだった。

 金子はリチウム電池の能力を飛躍的に高める電子部品の開発のために、1カ月以上も研究室に泊まり込んでいた。ヒノハラでは、いつの間にか金子が開発しているこの部品を「KO1」と呼ぶようになった。

 達也は日豊自動車向けの開発製品が完成したらすぐに、ヒノハラを日野原太郎に譲り、真理と金子とともにMTCで新ビジネスを始めようと考えていた。

伊豆

 達也は久しぶりに宇佐見のもとを訪れた。

 「今日は真理さんは一緒ではないんだね。あの子がいるだけで、晴れやかな気分になるのに」
 宇佐見は達也をからかうように言った。

 「申し訳ありません。今日、先生のご意見を頂戴してから、彼女に話そうと思っているものですから」
 と言って、達也はヒノハラを日野原太郎に譲り、新会社立ち上げを決意するまでの経緯を細かに説明した。その間、宇佐見は目を閉じたまま、腕組みして達也の話にじっと耳を傾けた。

 「ヒノハラの合理化では、ジェピーでの経験が役に立ちました。少ない資金で効率よく利益が生み出せる企業体質になりましたし、燃費効率を驚異的に高める部品の試作品も出来上がりました。日豊自動車からの注文はかなりの金額になるはずですから、ヒノハラは安泰だと思います」

 すると、宇佐見は閉じていた目を開いていった。

 「もうヒノハラのビジネスには興味が湧かない、ということかな」

 達也はかすかに笑みを浮かべた。
 「これまでは何とかしてヒノハラを倒産させまいと必死だったんです。でも、将来がバラ色になると、いろんなことが見えてきました」

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「第40話「でも、若い有能な従業員は先輩の命令に振り回され、かけがえのない時間を浪費している」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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