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脊髄損傷の患者が歩けるようになる日

  • 瀧本 大輔

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2010年7月14日(水)

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 主力薬の特許が2010年前後に相次いで失効し、後発医薬品にシェアを奪われて収益が激減する「2010年問題」。多くの日本の製薬会社は、バイオ医薬や抗体医薬といった次世代の医薬品へのパラダイムシフトに乗り遅れ、かつてない危機に立ち向かおうとしている。

 その一方で、次世代をリードする可能性を秘めた先端医療技術の芽は確実に存在する。この連載では、2010年7月5日号の特集「武田も揺るがす『2010年問題』」の連動企画として、世界の先頭集団を走る日本発の先端医療技術を取り上げる。

 第5回は、様々な組織や臓器の細胞に分化する「iPS細胞」を利用して神経細胞を回復させる研究に取り組む、慶應義塾大学医学部の岡野栄之教授である。実現すれば、脊髄損傷や神経疾患が原因で寝たきりになった患者が、自らの足で立って歩けるようになると言われている。その最新の研究成果と今後の課題を紹介する。

岡野栄之(おかの・ひでゆき)
1959年1月生まれ、51歳。医学博士。1983年3月に慶應義塾大学医学部を卒業後、同大医学部生理学教室の助手。米国ジョンズ・ホプキンス大学医学部生物化学教室研究員などを経て、1997年4月に大阪大学医学部神経機能解剖学研究部教授。2001年4月に慶應義塾大学医学部生理学教室教授に就任。主な研究領域は分子神経生物学、発生生物学、再生医学。(写真:菅野 勝男、以下同)

 脊髄損傷や神経疾患が原因で寝たきりになった患者が、自らの足で立って歩けるようになる――。そんな夢のような研究に長年取り組み、着実に成果を上げている人物が日本にいる。慶應義塾大学医学部の岡野栄之教授である。

 岡野教授が目指しているのは、幹細胞の一種である「iPS細胞」を活用して神経細胞を再生させることだ。

 iPS細胞とは、人の皮膚などから採取した体細胞に特定の遺伝子を導入することで、様々な組織や臓器の細胞に分化するように性質が変化したものだ。理論上は神経細胞に分化させることも可能とされている。

 神経細胞を再生できれば、事故で脊髄が損傷して寝たきりになった患者や、パーキンソン病やアルツハイマー病など、中枢神経の特定の神経細胞群が徐々に機能を失っていく神経変性疾患に苦しむ患者たちを、回復させることも可能になる。

脊髄損傷のマウスの脚の機能が回復

 その夢のような研究を現実のものにする取り組みで、岡野教授のチームは先頭を走る。

 今年7月7日、岡野教授らが公表した研究成果が世界を驚かせた。iPS細胞研究の第1人者である京都大学の山中伸弥教授と共同で、脊髄損傷で歩けなくなったマウスに安全なiPS細胞を選別して移植し、再び動けるようにする実験に成功したのだ。

 研究チームはマウスの脳にiPS細胞を移植し、半年たっても腫瘍を作らなかった細胞を選別。神経細胞の基になる神経幹細胞に分化させ、脊髄が損傷したマウスに50万個移植すると、動かなくなっていた後ろ脚の機能が回復したという。

 方法は細胞移植だけではない。岡野教授は、体内に存在する幹細胞を活性化させて、機能を修復する方法も有力と見て研究を進めている。

 これらの技術をヒトに適用するには、マウスからサルへと段階を経ながら実績を積み重ね、安全性を確認する長いプロセスを経なければならない。そのハードルをクリアして初めて、ヒトへの臨床試験に踏み込める。つまり、ようやく進むべき道が見えてきた段階と言っていいだろう。

コメント1件コメント/レビュー

当コラムは、日本の革新医療の情報周知・啓発化を通じ、わが国の革新医療進展に貢献できる内容と思います。西洋医学も部分・局所対応技術の発展中心→ゲノム・万能細胞研究により全体医療化と進化して来ていると理解できます。他方、東洋医学・経絡に刺激を与えることにより人間が持つ自然治癒能力を活性化し病を治癒する全身療法があります。この流れを汲む医療が電位医療であり、半導体の活用により革新的進化(特A特許取得)がなされている。西洋医学の全身療法化の実益化までの繋ぎ医療として(現状西洋医学では発揮できない治癒力を実現している)、相互向上医療としてこのコラムにもとりあげていただきたいと思います。(2010/07/14)

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当コラムは、日本の革新医療の情報周知・啓発化を通じ、わが国の革新医療進展に貢献できる内容と思います。西洋医学も部分・局所対応技術の発展中心→ゲノム・万能細胞研究により全体医療化と進化して来ていると理解できます。他方、東洋医学・経絡に刺激を与えることにより人間が持つ自然治癒能力を活性化し病を治癒する全身療法があります。この流れを汲む医療が電位医療であり、半導体の活用により革新的進化(特A特許取得)がなされている。西洋医学の全身療法化の実益化までの繋ぎ医療として(現状西洋医学では発揮できない治癒力を実現している)、相互向上医療としてこのコラムにもとりあげていただきたいと思います。(2010/07/14)

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