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「経営のプロ」輩出、3つのパターン

日本の「経営者育成」事情とは(1)

  • 岡島 悦子

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2010年7月22日(木)

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 なぜ米国は「経営のプロ」をあれほど大量に輩出できているのか、米国の経営者を促成栽培するメカニズムと環境について前回までで触れてきた。MBA(経営学修士)や早い段階からリーダーを選抜するハイポテンシャルプログラムなどについては、これまで本コラムでも様々な意見を頂戴してきたが、いずれにしても、「経営のプロ」育成に大きな役割を果たしていることは間違いないだろう。

 しかも、実際に米国では、若く機動力のある経営者を次々に輩出するに至っているのだ。これが、豊富な経験を持つ「経営のプロ」マーケットの拡大を生んだのである。

積極的・意図的なリーダー育成が足りない

 では一方、日本の経営者育成の実情とは、どのようなものなのか。2回にわたって、検証してみたい。

 まず、日本の伝統的な大企業では、終身的な雇用慣行が続く中で、経営者になるには相当な時間がかかる、という事実がある。そしてもうひとつ、「経営者を育成するための教育」というものが実は全く足りていないのではないか、という指摘はもう何年も前から言われてきたことである。

 ここで言う教育とは、人事部担当の実務家育成や管理職養成のための研修のことではない。「経営者予備軍」を明示的に育成し、準備するための教育の不足である。このコラムでも何度も述べてきた「今までと違う非連続の成長局面」の経営を担う人材の育成のことである。

 この状況は私には、リーダーを積極的に育成しているというよりも、偶発的にリーダーが登場してくることを待っているようにすら思える。積極的・意図的なリーダー育成は、企業単体に限ったことではなく、産業界として、あるいは国全体として、明らかに欠けている視点ではないかと思う。

 米国がなぜMBAや特別選抜者育成プログラムを作っているのかと言えば、経営に特化したプロフェッショナルスキルを身につけること、あるいはリーダーを育成していくことが、極めて難しいことをよく分かっているからである。それは、一朝一夕でできるわけではない。また一方で、長い時間をかければできるものでもない、ということにも気づいているのだ。だからこそ、一定数のリーダーを量産し、その中からある程度の質と量を担保しようというわけである。

コメント8件コメント/レビュー

日本では、経営のプロの需要はないので、供給の必要もなし。需要があれば、供給は行われる。(2010/07/23)

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いただいたコメント

日本では、経営のプロの需要はないので、供給の必要もなし。需要があれば、供給は行われる。(2010/07/23)

海外の非日系企業で働く34歳です。帰国して日本企業に就職することを考えた時、一番の不安は、年功序列等などで仕事の自由度が奪われるのではということです。海外帰りの若者を経営者候補として雇ってくれる会社を見つけたら、是非参加したいと思っています。(2010/07/22)

大切なのは、企業毎に最適なカリスマを持つ経営者をいだくことのように思え、MBA教育を受けたか否かではないように思います。米国の国家戦略は、メディア、マネー、ミリタリーの3Mと言われています。米国でMBAを取得した方々は、この国家戦略を戦術レベルで担うべく、人脈づくりも含め教育されるように思えます。国内の経営のグローバル化が叫ばれる昨今、世界中のキーマンとフランクに付き合える経営者の養成は急務ですが、そういった人材は一朝一夕に育つものではないと思います。遅くとも30歳代前半で経営者候補として選抜、社内教育するシステムを構築してゆくと同時に、カルロス・ゴーン社長のような、それぞれの企業に適合する、グローバル経営手腕をもった経営者を招聘して、経営改革をなさねばならぬ切羽詰った企業もあることでしょう。MBA取得者は、あくまでブレーンの一人に過ぎません。カリスマと経営手腕の両方を兼ね備えた人物が社長としては望ましいわけですが、MBAを持っていなければ社長になれないといった論調には、米国最高という、米国メディアに似た米国的洗脳の要素を感じてしまいます。(2010/07/22)

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三品 和広 神戸大学教授