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第6回 最近、大人扱いされない会社が増えてません?

再発防止対策で忘れてはならない現場の思い

  • 武田 斉紀

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2010年7月26日(月)

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公共交通機関の乗務員が、絶対にやってはいけないこと

 先週7月21日、西日本旅客鉄道(JR西日本)のベテラン車掌が逮捕された。電車の「防護無線」の予備電源ヒューズを22回にわたって抜き取ったという容疑だ。防護無線とは、非常時の二次災害を防ぐためのものだそうだ。

 このニュースを聞いて、私は2つの点で驚いた。1つはどうして22回になるまで止められなかったのかという点だ。抜かれ続けた1カ月弱の間に非常時が起きていたら、二次災害が発生していた可能性がある。もう1点は容疑者が車掌であったことだ。現段階で本人は、会社に不満があって意図的にやったと認めているという。

 ニュース(7月21日13時47分配信、産経新聞)には、5年前の4月25日に107人の死者と562人の負傷者を出した、福知山線脱線事故の遺族のコメントが掲載されていた。

 「安全を守るべき車掌としてあるまじき行為。会社への不満があったと言うが、なぜそれがヒューズを抜くことにつながったのか。個人の行為ではあるが、再発防止のためにもJR西日本は原因や事件に至った経緯を解明する必要がある」

 事実とすれば明らかに犯罪であり、当該車掌に弁解の余地はない。その一方で私は、このニュースを忸怩(じくじ)たる思いで聞いたJR西日本の同僚車掌や運転士も多かったのではないかと想像した。

 意図的に安全を脅かすことは、彼らにとって、「会社に対してどんなに不満があったとしても、絶対にやってはいけないこと」であるはずだ。公共交通機関の運営に携わる者にとって、安全はすべてに優先される---その意識においては、不祥事を起こしたJR西日本の乗務員のほとんども、他社と変わらないと私は信じたい。

 「ではなぜ、福知山線の事故や今回のような事件がJR西日本で起きたのか」。それについてはこの後触れるが、私が心配しているのは、大多数の乗務員たちの高い意識が、事件後の再発防止策でないがしろにされていないかということだ。それは彼らが会社の中で、「大人扱い」されないことから始まる。結果として再発防止策ではなく、推進策となってしまうのではないかと懸念してしまう。

コメント21件コメント/レビュー

(このような状況に置かれた)経営者にとっては、従業員が「行きたくなる会社」となるか「行きたくない会社」となるかを考える前に、「従業員が事故が再発しないこと(そのように管理できると思えること)」が重要なことなので、そのために従業員を子供扱いするかほうが効果的(実際的)だと考えれば、そうするのでは?そこで従業員を大人扱いするかどうかは、経営者の資質や置かれた状況によるところが大きいと思うが、結果のかたちの現れ方が多少違うだけで、経営者の資質や判断には今も昔も大きな差はないと思われる。(2010/07/27)

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(このような状況に置かれた)経営者にとっては、従業員が「行きたくなる会社」となるか「行きたくない会社」となるかを考える前に、「従業員が事故が再発しないこと(そのように管理できると思えること)」が重要なことなので、そのために従業員を子供扱いするかほうが効果的(実際的)だと考えれば、そうするのでは?そこで従業員を大人扱いするかどうかは、経営者の資質や置かれた状況によるところが大きいと思うが、結果のかたちの現れ方が多少違うだけで、経営者の資質や判断には今も昔も大きな差はないと思われる。(2010/07/27)

JR西日本の車掌復帰問題について。記事から推察するに、武田氏は原告は勿論、JR西日本側(原告の元上司や同僚など)にも取材はしていないようです。これも記事から推察すると原告はパニック障害をおこしたため、産業医等から車掌復帰を止められていたと思われます。つまり、車掌復帰問題は「大人扱い」とは異なり、うつ病などに罹患した社員の現場復帰問題ではないですか?そうであるならば、論点は、?受け入れ側の現場の同僚が復帰を本音ではどう思っているのか-パニック障害が再発しても俺たちがカバーするぜという覚悟があるのか、?JR西日本の乗客はその車掌が乗る電車に乗りたいのか-福知山線事故の経験者だから安心だと思うのか、再発して事故を起こされたらどうしようと思うのか、ではないですか。公共交通機関だけに、原告の思いだけでは判断できないと思います。(2010/07/26)

人間は欲望に弱いが、それは矯正可能であるとの考えが荀子が説いた性悪説である…と、だいぶ昔のことだが世界史の授業で教わった。教科書が嘘をついていないなら、本文中の脱線事故の車掌さんを車掌として復帰させないでいるJR西日本の事例は、単なる人間への不信であって、性悪説などではない。コメントを読む限り、性悪説の仮面を被った人間不信が日本を覆い尽くしてしまっているように見える。怖い。(2010/07/26)

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