「市場縮小に負けないアフターサービス」

月1回の独自イベントは、各店舗の“義務”である

「ファイブスター東都を好きになってほしい!」

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2010年8月4日(水)

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 「近所で仕事をしているんですが、喉が渇いただけで寄っちゃったりするんですよね」。ファイブスター東都(東京都府中市、高野光司社長)の府中店でこう話してくれた男性は、つい最近も「ここで2台目の自動車を購入したのだ」という。喉が渇いたからといって、馴染みの顧客が自動車ディーラー(販売店)に入ってくる――。この距離感の近さが、まさにファイブスター東都の真骨頂と言える。

 多くの人にとって、ディーラーは“敷居が高く”感じられるものだ。そもそも「新車を購入しよう」「車検を受けないといけない」など何かしらの理由がないと、なかなかディーラーに出向くことはない。そこで、ディーラーは顧客との接点を確保する手段として、定期的な「調子伺い」を実践している。営業担当者またはサービス担当者が購入客に「自動車に不具合が生じていないか」などを尋ねるといった取り組みだ。

 ところが、この「調子伺い」、顧客にとっては面倒に感じることが少なくない。いきなり電話がかかってきて「お車の調子はいかがですか?」と聞かれても、ほとんどの場合は「別に」や「問題ないから何かあったらこちらから連絡するよ」で済ませがちだ。それどころか、買い替えてもらうためにお財布具合を探る“調子伺い”としか思えないような連絡が来て、気持ちを害した経験を持っている方もいるだろう。こうした積み重ねで、徐々にディーラーと顧客の距離が離れていってしまう。

「売る」のではなく、「楽しんでもらう」

 この距離を縮める方策として、ファイブスター東都ではイベントに力を注いでいる。一般にディーラーのイベントと言えば、新規顧客を開拓したり買い替えを促したりするための展示会やフェアという印象が強い。ところが、ファイブスター東都のイベントは全く様相が違う。購入客に「楽しんでもらう」ことに主眼が置かれている。

 冒頭に登場した「喉が渇くと、府中店に寄る」という男性に出会ったのは、6月12日(土)〜13日(日)にかけて府中店(東京都府中市)で行われたイベント「AMERICAN HUT(アメリカの小屋)」だった。これはオートバイの「ハーレーダビッドソン」とのコラボレーション企画で、クライスラーとジープ、ダッジという通常の取り扱い車種に加えて、ハーレーも展示。しかも、屋外で試乗までできるようにした。

ファイブスター東都の府中店が6月に実施したハーレーダビッドソンとのコラボレーション企画「AMERICAN HUT(アメリカの小屋)」。
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 アメリカのライフスタイルを体感できるというこのイベントでは、ハーレーの後部座席に子供を乗せて運転を楽しむ家族や、賑やかなショールームの雰囲気につられて長居した顧客などで溢れかえった。結局、2日間のイベントで、来場客は計110組に達し、府中店は大いに盛り上がった。

ハーレーダビッドソンの試乗に、子供も大喜び。
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著者プロフィール

長谷川 愛(はせがわ・あい)

1970年生まれ。人材育成・組織構築コンサルタント。外資系自動車メーカーに7年勤務し、経営企画、海外業務、販売店教育などに携わる。現在は、米国の自動車業界向け教育コンサルティング会社TTiで日本市場のジェネラル・マネージャーを務める。年間3分の1を、海外および日本全国のメーカーや自動車ディーラーに足を運ぶ。



このコラムについて

市場縮小に負けないアフターサービス

2009年4月に経営破綻した米自動車大手のクライスラー。にもかかわらず、業績を堅調に伸ばすクライスラーのディーラーがある。逆境を跳ね返した原動力を探ると、新車販売に活路を見出そうとするディーラーが多い中で、購入客が期待する以上のアフターサービスを実現する徹底した顧客志向が浮かび上がってくる。市場が縮小しても業績を伸ばす経営とは――。

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