(「メーカーが破綻しても、販売店は業績を伸ばせる」から読む)
「近所で仕事をしているんですが、喉が渇いただけで寄っちゃったりするんですよね」。ファイブスター東都(東京都府中市、高野光司社長)の府中店でこう話してくれた男性は、つい最近も「ここで2台目の自動車を購入したのだ」という。喉が渇いたからといって、馴染みの顧客が自動車ディーラー(販売店)に入ってくる――。この距離感の近さが、まさにファイブスター東都の真骨頂と言える。
多くの人にとって、ディーラーは“敷居が高く”感じられるものだ。そもそも「新車を購入しよう」「車検を受けないといけない」など何かしらの理由がないと、なかなかディーラーに出向くことはない。そこで、ディーラーは顧客との接点を確保する手段として、定期的な「調子伺い」を実践している。営業担当者またはサービス担当者が購入客に「自動車に不具合が生じていないか」などを尋ねるといった取り組みだ。
ところが、この「調子伺い」、顧客にとっては面倒に感じることが少なくない。いきなり電話がかかってきて「お車の調子はいかがですか?」と聞かれても、ほとんどの場合は「別に」や「問題ないから何かあったらこちらから連絡するよ」で済ませがちだ。それどころか、買い替えてもらうためにお財布具合を探る“調子伺い”としか思えないような連絡が来て、気持ちを害した経験を持っている方もいるだろう。こうした積み重ねで、徐々にディーラーと顧客の距離が離れていってしまう。
「売る」のではなく、「楽しんでもらう」
この距離を縮める方策として、ファイブスター東都ではイベントに力を注いでいる。一般にディーラーのイベントと言えば、新規顧客を開拓したり買い替えを促したりするための展示会やフェアという印象が強い。ところが、ファイブスター東都のイベントは全く様相が違う。購入客に「楽しんでもらう」ことに主眼が置かれている。
冒頭に登場した「喉が渇くと、府中店に寄る」という男性に出会ったのは、6月12日(土)〜13日(日)にかけて府中店(東京都府中市)で行われたイベント「AMERICAN HUT(アメリカの小屋)」だった。これはオートバイの「ハーレーダビッドソン」とのコラボレーション企画で、クライスラーとジープ、ダッジという通常の取り扱い車種に加えて、ハーレーも展示。しかも、屋外で試乗までできるようにした。
アメリカのライフスタイルを体感できるというこのイベントでは、ハーレーの後部座席に子供を乗せて運転を楽しむ家族や、賑やかなショールームの雰囲気につられて長居した顧客などで溢れかえった。結局、2日間のイベントで、来場客は計110組に達し、府中店は大いに盛り上がった。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




からのご案内




