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「一億総悲観論」の先に出口はない

開き直って楽しむことから変化は始まる

2010年8月6日(金)

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「経営レンズ箱」はこちら(2006年6月29日~2009年7月31日まで連載)

 「将来に不安がある」と答えた人の割合が「65%」。日本は、スペイン、メキシコに次いで、調査対象13か国中3位の高さである。

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 今後12カ月の間に消費を減らそうと考えている人は「56%」。この割合が50%を超えたのは日本1カ国だけで、ダントツ1位になっている。

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 どちらも、この3月にボストン コンサルティング グループ(BCG)が行なったグローバルな消費意欲調査で明らかになった日本についての数字だ。この調査は定期的に行っており、前年との比較もできる。将来不安を持つ層は、67%から65%で微減したものの、消費を減らそうと考える層は、9ポイントも増えている。リーマンショックの影響が強く残っていた2009年3月と、経済の回復基調が感じられるようになった今年3月との比較にもかかわらず、だ。

どうして我々は悲観的なのだろう

 統計数字だけを見れば、2010年第1四半期は実質GDP(国内総生産)が前期比5.0%の高成長(速報値)、小売業販売額は1月から久方ぶりに前年対比プラスに転じ、2月、3月と4%台の伸びを示していた時期である。ほかの国と同等以上に消費者のセンチメントが改善してもよさそうなものだ。どうして、こうも我々は悲観的なのだろう。

 マクロ的に見れば、

「失われた20年の間に、悲観的なムードが、国民の間で定着してしまった」

「財政、社会保障、人口問題など、これから良くなるような要素が見当たらない」

「政治の混乱が続き、課題の解決ができそうに思えないから」

「前向き、あるいは日本に自信を持てるような情報が、メディアで報道されることが稀だから」

 といったような理由を、いくつも挙げることができる。

 さらに、こういった状況を変革していくために、主として政治に対して、様々な提言がなされてきたし、「遅々として」ではあるが、少しずつ政策として取り上げられてきてもいる。

 ただ、マクロアプローチ、政治変革を期待するアプローチだけでは、この「一億総悲観論」的な状況が変わっていく気がしない。もう少しミクロに、企業や我々個人が一種開き直った気持ちになって、行動を変える。例えば「環境がどうあろうが、自分の将来は自分で作る」という覚悟を持って何らかの行動を起こす、ということが不可欠と思えるのだ。

ミクロに行動してみる大切さ

 東京は丸の内、といっても、有楽町にほど近いオフィスビルの地下飲食店街に、「にっぽんの・・・」という変わった名前の店舗がある。日本のあちらこちらの地域から届く食材を、あまり手の込んだ調理をしないで出してくれるレストラン(というよりは居酒屋のような風情)だ。卵ごはんの味がする愛媛県宇和島産出汁かけ鯛めし。神奈川県小田原からの肉厚この上ないアジフライ。茨木県牛久産の野菜をふんだんに使ったピザに、山梨県勝沼の赤ワイン。一般の流通網では手に入りにくいものもあって、結構おいしいものがいろいろある。

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「「一億総悲観論」の先に出口はない」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長