• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

親子上場が変わる

子会社株による益出しが出来ない

2010年8月19日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 問題点が指摘されてきた親子上場に転機が訪れそうだ。

 欧米に比べ日本の株式市場で特に目立つ親子上場は、親会社が子会社から利益を吸い上げて株主に配分すると、親会社株主には有利でも子会社株主には不利になる「利益双反」の懸念がある。

 あるいは、親会社が自らの利益だけのために子会社の資産を売却すれば、子会社株主の保護が十分でなくなる恐れがあるなど、様々な問題をはらんでニッポン資本市場の後進性の象徴ともなってきた。

もう「いいとこ取り」はできない

 長年に渡って問題点が指摘されてきたにもかかわらず、親会社が子会社の50%超の株式を保有する親子上場は、野村証券のまとめによれば、2008年度末時点で398社に上っている。

 デメリットが指摘される一方で、子会社従業員の士気向上や親会社にとって有利な資金調達になることなど利点もあったからだ。

 ここにきて、親会社がグループ内で錯綜する事業構造を見直したり、自身の事業を再構築するために、有力子会社を完全子会社化するといった動きも出てきたが、まだ総数で見れば横ばいになった程度。親子上場が確実に減少へ転じたというほどではない。

 しかし、IFRSが新たに見直した基準(2010年から適用)では、親会社が上場子会社の株式を売却しても、保有株比率が50%以上で支配権を失わない場合は、損益を計上出来ないこととした。売却に伴う「利益」相当分は、資本取引として財政状態計算書の資本に直接計上するだけとなっている。

 一方で、50%を割るまで保有株を売却し、支配権を失う場合には売却益が計上できることになっている(下図参照)。

画像のクリックで拡大表示

 支配権を保ちながら利益だけは享受するという「いいとこ取り」を許さない仕組みになったというわけだ。

 ただ、子会社株の売却割合によって資本取引か損益計上かが分かれる仕組みは、親会社の経営者が恣意的に子会社株の売却時期や売却株式の割合を変えることで「操作」をする余地を与えてしまう。

 例えば、いったん売却益を計上できるほど保有株を売却した後、株価が下がった時に買い進めて支配権を復活したりするといった方法も考えられる。しかし、こうした場合には、一連の取引を単一のものと見なすという規定もあり、恣意的な取引を排除するようになっている。

コメント0

「IFRS 財務諸表が一変する!」のバックナンバー

一覧

「親子上場が変わる」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

短期保有者のいいようにさせたら、中長期で保有したいと考えている株主はどうなるのか。

貝沼 由久 ミネベアミツミ社長