「IFRS 財務諸表が一変する!」

在庫の評価が変わる

基準による利益を出させない

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2010年8月26日(木)

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 会計基準が業績を直接左右することもある。出光興産にとってまさにその時期だったのではないか。

 2008年度、同社は東燃ゼネラル石油とともに最終黒字を確保したが、同業の新日本石油、新日鉱ホールディングス、コスモ石油、昭和シェル石油の4社は赤字に喘いだ。

 そして2009年。新日石、新日鉱など4社の経常損益が大幅黒字に転じる一方で、出光は第1四半期(4〜6月期)で8億3200万円の赤字に。だが、業界では「“やはり”かなり小さい赤字だ」との声が広がった。そこに何があったのか――。

利益が出やすくなる後入れ先出し法に

 大きな影響を及ぼしたのは、会計基準だった。出光や東燃はその前の期、原油在庫(棚卸し資産)を期末近くに仕入れたものから先に出荷したと見なす後入れ先出し法を使い、新日石などは期中価格の総平均法を採用していた。

 後入れ先出し法は、価格の下落時には直近の低い価格の在庫を使えるため、総平均法に比べ相対的に利益が出やすく、価格の上昇時には総平均法の方が利益が大きくなりやすい。

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著者プロフィール

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス編集委員。



このコラムについて

IFRS 財務諸表が一変する!

 売上高が半減し、利益が急増、株式の益出しなど「含み経営」は壁にぶつかり、企業年金は曲がり角に――。そんな事態もIFRS(国際財務報告基準=国際会計基準)の下では空想ではなくなる。企業の成績簿を作り、財務体質を映し出す基本ルールでもある会計基準が今、大きく変わろうとしている。IFRS強制適用は早くて2015年だが、既にそれに向けて日本基準はコンバージェンス(共通化)し始めている。日本基準はどう変わり、今も進化を続けているIFRSはどうなっていくのか。IFRSを上手く導入し、活用するためにまずはそこから押さえよう。

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