「IFRS 財務諸表が一変する!」

保険会社が変わる

保険支払いの負債に時価会計の大波

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2010年8月30日(月)

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 IFRSの波は保険にも及ぼうとしている。保険関連で会計基準が大きく変わろうとしているのは、保険負債と呼ばれるものだ。

 保険会社は、将来保険金を支払うと見積もられる額が現在ならどの程度に相当するかを算出し、保険負債としている。この保険負債を時価評価して負債の大きさを測り直そうというのが、国際会計基準審議会(IASB)が検討するIFRSでの新基準だ。

 実際には保険負債のほとんどは、保険料とその運用益を積み立てる責任準備金として認識されているが、その算出方法が変わることになる。

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 現在、保険契約時の死亡率や、保険会社のコストである事業費率(事業費÷保険料)、契約継続率、金利などを基に計算しているのを、毎年見直し、その時点での基礎的な数値で測り直そうというわけだ。

 この影響は大きい。

 基礎的な数値のうち、特に変動の大きい金利が下落すると「資産の増加よりも負債の増加の方が多くなり、純資産が縮小することになる」(橋本雅博・住友生命保険常務)。結果として、保険会社の健全性を示すソルベンシーマージン(支払い余力)比率も下落しかねなくなるのである。

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著者プロフィール

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス編集委員。



このコラムについて

IFRS 財務諸表が一変する!

 売上高が半減し、利益が急増、株式の益出しなど「含み経営」は壁にぶつかり、企業年金は曲がり角に――。そんな事態もIFRS(国際財務報告基準=国際会計基準)の下では空想ではなくなる。企業の成績簿を作り、財務体質を映し出す基本ルールでもある会計基準が今、大きく変わろうとしている。IFRS強制適用は早くて2015年だが、既にそれに向けて日本基準はコンバージェンス(共通化)し始めている。日本基準はどう変わり、今も進化を続けているIFRSはどうなっていくのか。IFRSを上手く導入し、活用するためにまずはそこから押さえよう。

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