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細かな改善で大きな集客を実現する食堂「賀露幸」

2010年9月13日(月)

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 前回のコラム「行列ができても満足しない食堂『賀露幸』、さらなる集客アップの秘密」で、鳥取市にある海鮮丼を出す40坪ほどの小さな食堂である「賀路幸」が、町工場の視点を使って厨房のレイアウトや棚の位置を組み直し、さらに調理道具や備品の整理整頓を進めたことを紹介した。

 そしてその結果、厨房内の調理作業の効率が劇的に高まり、ブリリアントアソシエイツがその事業を引き継いだ当初から行列のできていたにもかかわらず、4年かけて1日の最大客数は、2006年のリニューアルオープン時が300人程度であったのが、2008年が818人、2009年は1072人まで増やすことができ、さらに今年の2010年は1300人を超えるところまで集客したという大きな成果を出したのである。

 このレイアウトの変更や整理整頓を現場の努力で進めたことで、大きな集客に成功したものの、重要なのはほとんど新たな投資を行う必要がなかったということである。もちろん、全く行わなかったということではない。あまりにも多くの来店客があったことから、例えば、それまでの冷蔵庫では十分に食材を保管しきれなくなって、容量が大きい冷蔵庫に交換する必要に迫られたといったことはある。最低限の投資だけで、その効果を実現したのである。

 しかし、さらなる集客に向け、ほかにも細かな努力に取り組んでいる。それらを今回のコラムで紹介するだけでなく、この小さな食堂が料理を効率的に提供する仕組みをこれからどのように発展させ、そして事業をどのように成長させていこうとしているのかを見ていきたい。

従業員の離職率が低下した

 現場の地道な努力の結果、賀露幸では4倍以上の人に食事を提供できるようになった。当たり前のことであるが、現在の1300人を超える集客は、5月の連休中に限ったことで、一般の日はこれほどの人が訪れるわけではない。

観光客から地元客まで、多くの人が来店する「賀露幸」(写真提供:賀露幸)

 普通の日の来店客数は、平日で約150~200人、週末で約300~400人程度である。しかし、4年間かけて積み上げてきた努力の結果できあがった1300人を超える来店客に料理を確実に提供できる作業システムは、普通の日の料理や接客の作業を非常に楽にしている。より集客するために作業効率を改善したが、その結果として現場で働く従業員の肉体的負担が軽減されていったのである。

 つまり、ムリやムダな作業を大きく削減することができたことから、従業員が疲れない職場環境が実現し、より少ない人数で作業をこなせるようになった。そして、当初が300人の来店客を12人のスタッフで対応していたのを、2009年になると1072人の来店客を22人のスタッフで、さらに今年の2010年では1300人を超える来店客をたった15人のスタッフで対応できるまでになったのである。

コメント1件コメント/レビュー

賀露幸による取り組みは興味深い。一方で、首都圏などを中心に、まったくこれと正反対の動きが加速している。賃下げ、労働強化、労働条件の切り下げ。残業は出さない一方で、有給休暇の返上を求める云々。従業員の離職率や採用、育成にかかるコストを考えたら、これらの対応は理解しがたいのであるが、首都圏での労働需給ギャップがこれを許している。賀露幸のような職場を地方にもっと増やし、首都圏などから労働力を奪い取るような活躍をすることを期待する。(2010/09/13)

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「細かな改善で大きな集客を実現する食堂「賀露幸」」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

賀露幸による取り組みは興味深い。一方で、首都圏などを中心に、まったくこれと正反対の動きが加速している。賃下げ、労働強化、労働条件の切り下げ。残業は出さない一方で、有給休暇の返上を求める云々。従業員の離職率や採用、育成にかかるコストを考えたら、これらの対応は理解しがたいのであるが、首都圏での労働需給ギャップがこれを許している。賀露幸のような職場を地方にもっと増やし、首都圏などから労働力を奪い取るような活躍をすることを期待する。(2010/09/13)

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