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「家に帰るより会社にいたい!」働き蜂ワーカホリックの“現在価値”

周りも自分自身も幸せにしない非生産的な人々

2010年9月9日(木)

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 家に帰るよりも、会社にいる方が楽。家庭のことを考えるよりも、仕事のことを考える方が楽しい。だって、会社にはとりあえず居場所があるけど、家にはないから……。

 あなたはこんなふうに感じたことはないだろうか?

 世間では、もっぱら「イクメン」「ワークライフバランス」「ノー残業デー」と、仕事だけの生き方を見直そうという動きが盛んなのに、どうにもそういう波に乗れない人。

 「仕事にすべてを捧げるなんて格好悪い」「仕事だけの人生なんて気の毒」なんて言われたところで、仕事だけをやっていたいと願う人。

 長時間労働とうつ病や過労死との関連が高かろうと、女性の社会進出に伴って共働きの家庭が増加していようと関係ない。

残業を好み、深夜まで会社に残って働く人々

 「とにかく仕事をさせてくれ。一に仕事、二に仕事、三、四がなくて五に仕事!」と、仕事だけの人生を求めてしまう人がいる。

 いわゆる、ワーカホリック。残業を好み、深夜まで会社に残って働く彼らは、疲弊するどころか、働けば働くほど元気になっていく。そんな彼らにとってワークライフバランスは“邪魔なもの”でしかない。

 「なぜ、国や会社から帰宅命令を出されなくちゃいけないんですかね。会社で仕事をしている方が、楽だっていう人もいるってこと分かってほしいですね。僕は仕事が大好きです。だから仕事漬けになることがちっともイヤじゃありません。趣味もないし、仕事が趣味みたいなもんなんです。正直、ノー残業デーとか地獄。自由に働かせてほしいですよ。会社だって本当はその方が助かるはずです」

 こう語るのは、中小企業に勤める48歳の男性、A氏。彼のように「家のことにはできるだけかかわりたくない。本当は仕事だけをやっていたい」と願っていたり、独身であっても「家に帰っても寝るだけだから、会社で夜遅くまで働きたい」と思っている“真性ワーカホリック”は意外に多い。

 ワーカホリックという言葉を最初に世に提示したのは、米国の医師、ウェイン・オーツである。彼はワーカホリックについて、「働かなくてはいられない状態であり、生きていくためにさらに大量の仕事を要求する人(あるいは状態)」と定義した。日本では一般的に、「長時間労働を好むため残業時間が多く、職務満足度の高い人」を指すことが多い。

 欧米では、ワーカホリックは侮辱的な表現として用いられることが多いが、日本では高度成長期に「ワーカホリック=仕事に一生懸命な人」と好意的に受け止められ、その価値観をいまだに引きずっている人が少なくない。

 「残業で徹夜した」などと周囲に吹聴し、寝る間も惜しんで頑張っている自分が大好きな人で、残業時間の長さを競い合い、長ければ長いほど「よく働いているなぁ~」と満足感に浸っていくのだ。

家に帰っても居場所がない

 そんな“残業大好き”な彼らは、平日の夜に早々に家に戻ったところで、やることもなければ、妻や子どもたちと話す話題も見つからない。家には帰ってみたものの、そこには自分の居場所はもはやないことに気づかされる。その結果、ストレスの雨が会社ではなく、家庭に、しかも自分の頭上だけに降り注ぐのである。

 前出のA氏は次のように続ける。

 「仕事は論理的に考えれば、何とかまとまります。うまくいかないこともあるけど、解決策はある程度の効果が出るし、期待したような結果も見える。だから、やりがいもある」

 「でも、家庭はそういうわけにはいかない。家庭は解決できないことばかりです。問題は山積。子どもは突然、学校に行かなくなるし、女房は文句しか言わないし。それに、会社もひどいですよ。つい最近まで、仕事一辺倒の働き方をさせてきたのに、今さら『家庭を大切に!』なんて言われたところで、失った10年はどうやったって戻ってこない」

 この男性はワーカホリックだったから、家庭に居場所をなくしてしまったのか? それとも、家庭に居場所がないから、ワーカホリックになってしまったのか? 

 いずれにしても、残業に快感を覚えるワーカホリックにとって残業ができないことは、大好物の食べ物を取り上げられたようなもの。しかも、その代わりに「これをお食べ」と差し出されたデザートは、辛くて、しょっぱくて、口に入れることすらできないものだった。

 そこで今回は、好んで残業し、かつ職務満足度も高い“ワーカホリック”について、考えてみようと思う。

コメント50件コメント/レビュー

皆さん帰る時間ばかり話題にしているが、、、、残業が長いという会社に限って、出社時間が遅い。午前10時始業で、午後10時解散ならば、拘束時間は12時間だが、私の会社では、7時過ぎに全員集合して、8時までに会議を終え午後7時には解散している。夜遅く働いたり、土日出勤は非効率的であるし、やめるべきでしょう。(2010/09/22)

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「「家に帰るより会社にいたい!」働き蜂ワーカホリックの“現在価値”」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

皆さん帰る時間ばかり話題にしているが、、、、残業が長いという会社に限って、出社時間が遅い。午前10時始業で、午後10時解散ならば、拘束時間は12時間だが、私の会社では、7時過ぎに全員集合して、8時までに会議を終え午後7時には解散している。夜遅く働いたり、土日出勤は非効率的であるし、やめるべきでしょう。(2010/09/22)

職場以外に居場所があればいい。まったくもってそうです。でも、家を除いた場に「居場所」を求めるとたいていはコストがかかることが多いです。中小企業のケチな給料ではなかなか希望するような居場所はつかめません。生活するだけでも大変なのに。。。(2010/09/17)

>[周りを見ても定時で帰ってくる、休みがフルにあると邪魔者扱いされる人が多いのですが。]おそらく本当に邪魔者なのでしょう。自分の居場所は自分で作るものです。人や環境のせいにしてはいけません。(2010/09/16)

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三品 和広 神戸大学教授