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スター性の遺伝子的確率

人はなぜ独立するのか?

  • 斉藤 由多加

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2010年9月9日(木)

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 世の中には2種類の人がいる。自己の目的を仕事の中に求めるタイプの人と、仕事は仕事と割り切って、人生の目的をプライベートの中に求めるタイプの人。

 僕は、自分の好きなことを仕事にしてきたので、いうまでもなく前者である。仕事が自己実現の手段になっている。 独立して事業を営んでいる人のほとんどはこのタイプなわけだが、そういう人種が会社経営を始める際に、ちょっとした盲点がある。今日はその話。

 自己実現を仕事に求めるタイプの人間は、ついぞ「ほかの人もそうに違いない」と決め込んでしまう習性がある。つまりプライベートの時間にも、週末にも、当然スタッフたちは仕事のことを考えているにちがいない…と決めつけてしまう妄想癖。それが大きな間違えであることに気づくのは、そしてまた、自分の価値観と社員たちのそれとのギャップに愕然とするのは、独立創業よりかなり後の、創業の社員たちが辞めて、一般採用の社員が入り始めるあたりからである。このあたりに関してはまた後日話すことにするけど、自動車でいちばん激しく動いているのはエンジンだが、金属疲労による劣化が早いのはむしろ足回り、という事実にも似ていて、社長というエンジンの回転数が速ければ速いほど社員たちは疲弊して辞めていってしまう、という法則が会社経営にもあてはまる。

 何が言いたいかというと、会社とか仕事が社員人生の目標と同化している人というのはマイノリティーである、という事実。これこそが、誇大妄想者社長が遭遇する最大級のパラダイムシフトなのである。

主役だけが人生じゃない

 映画には主役がいればその横に脇役がかならず存在する。僕は大滝秀治さんという俳優がとても好きです。ゲーム作品に登場してもらったことがあるのだけれど、この上なく魅力的かつ独特の雰囲気の存在感を持つ役者さんである。でありながら、大滝さんは映画で主役を演じるタイプではない。だからとても長い役者人生を送っておられる。

 スターを長く続けられる人はわずかである。一度スターになってしまうと、脇役に戻ることを自分のプライドが、いや社会の目が受け入れない。つかこうへい氏の「蒲田行進曲」の「銀ちゃん」じゃないけど、主役級のスターというのは主役出演か、あるいはまったく出演しないか、その二択しかない。脇役であれば、影がうすい分飽きられることなく多くの作品に顔を出すことができる。主役が変われば、その人の脇でまた違った味を演出することができる。でも主役というのは、言い方を変えると「つぶしが効かない」とでも言いましょうか、転向できない存在のことを言うのではないか、とすら思えるのである。

 大型液晶モニター単体の価格はさほど下落しなくても、そこにパソコンを内蔵していると、価格は極端に下落しやすいのと似ている。花形はその価値を維持するのが大変なのだ。

スター俳優の孤独な人生

 僕が言いたいのは、人生というのは、実は中心になることよりも周辺機器である方が安定した良い仕事なのではないかという理屈である。

 だからもし、自分が主役として人生を歩み出すことを考えるならば、かなり慎重に判断しないといけない…。自分に「主役」の資質が本当にあるのか、を。

 独立して成功している社長たちには、どう考えてもサラリーマンにはなれないというオーラの人が多い。そういう人たちは、このまま自分の事業を成功させつづけるか、あるいは没落か、しかない。いずれにしてもサラリーマンとして再び勤務しなおせるとはとうてい思えない人が多いのである。

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