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今の日本に必要なのは「中興の祖」

そこから新たな日本的経営が始まる

2010年9月14日(火)

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 事業には寿命がある。寿命を迎えて利益を出せなくなった事業に見切りをつけ、成長が見込める新たな事業へと乗り換える。このような業態転換、私が編み出した言葉を使えば、事業立地を変える転地を行わなければ、企業は寿命の尽きた事業とともに息絶えてしまう。

 ただし転地に挑んでも、それを成し遂げるのは困難である。最大のポイントはどのような人に挑戦させるかだ。いくつかの要件を満たしていない人には、転地を成就させることは望めない。

 そこで前回まで3回にわたって計15人の経営者を取り上げ、彼らの共通点を分析しながら、転地を成功に導く人物に必要な要件を探ってきた。

 「日本企業改造論」と銘打ちながら、改造の方法ではなく、改造に取り組んだ人物を論じてばかりいる。この点に疑問を抱いた読者もおられるだろう。しかし、転地を成功させるうえで、どういう人に任せるかは最も重要で避けては通れない論点である。だから、そうした声が出るのを承知のうえで、3回も人物論に費やしたのである。

 次回から転地先としての事業の選び方などの方法論に入っていくが、その前にこれまでの論点を整理しておきたい。もうしばらくお付き合いいただければ幸いである。

東証1部上場企業の約6割が転地を必要としている

 まずは、日本企業の多くにとって転地が必須となっている現状を確認しよう。

 日本企業の1960年以降の業績を俯瞰すると、1980年までに東京証券取引所に上場し、2000年時点で同取引所第1部に上場していた企業のうち、約4割が2000年以降に営業利益ベースで史上最高益を更新している。

 これらの企業は主力事業が寿命を迎えておらず、事業立地がまだ健全と見ていいだろう。そうした企業にとっての課題は本業の強化だ。例えば、経済のグローバル化に対応して海外展開を推進することなどが挙げられる。

 このコラムでこれまで対象としてきたのは、その他の企業である。主力事業の寿命が尽きて、事業立地の沈下が止まらない企業は急いで改造しなければならない。バブル崩壊以前に最高益を記録したまま、もう20年以上も記録を更新していない企業は、東証1部上場企業の約4割を占めている。

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 その中には、今も日本を代表する名門企業が名を連ねる。パナソニック、日立製作所、三菱重工業、セイコー、三越、TOTO、マルハニチロ、ワコール、宝酒造、河合楽器製作所……。このあたりは、ほんの一例にすぎない。

 これらの企業の場合、事業立地がまだ健全な会社とは違って、本業の強化に取り組んでも事態は改善しない。本業そのものが揺らいでいるのだから、そこにメスを入れて転地を図る必要がある。

 すなわち、本業の強化を目指すのは、完全な戦略の誤りだと言わざるを得ない。だが現実には、誤った戦略を実行して機能不全状態に陥っている「戦略不全」企業が多い。

 初回で説明したように、私は戦略というものには、(1)事業立地、(2)事業デザイン、(3)戦術的意思決定、(4)日常のマネジメント──の4つの次元があり、それらが重層構造をなしていると考えている。

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「今の日本に必要なのは「中興の祖」」の著者

三品 和広

三品 和広(みしな・かずひろ)

神戸大学大学院経営学研究科教授

専攻は経営戦略・経営者論。1989年米ハーバード大学文理大学院企業経済学博士課程修了、同大学経営大学院助教授に就任。北陸先端科学技術大学院大学助教授などを経て、2004年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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