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銀座百貨店戦争-三越は銀座を制するのか、銀座で散るのか

“本家”伊勢丹の三越が“分家”伊勢丹の松屋に宣戦布告

  • 小屋 知幸

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2010年9月14日(火)

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社運をかけた大勝負

 先週、銀座三越が増床開業した。2008年4月に伊勢丹と三越が統合して以来、リストラに追われていた三越伊勢丹ホールディングスにとって、三越銀座店の増床は久々の反攻策となった。

 三越銀座店のリニューアルの目的は、銀座における地域一番店の座を松屋銀座店から奪取することにあると言ってよいだろう。三越伊勢丹ホールディングスは東京の3大商業地区のうち、新宿地区(伊勢丹新宿本店)と日本橋地区(三越本店)の地域一番店を、すでに保有している。これに三越銀座店が加われば、同社の営業基盤は一層強固になる。

 しかしながら、三越伊勢丹ホールディングスの目論見が当るとは限らない。現在、百貨店業界は未曽有の逆風に直面している。2009年度の販売額は、業界全体で前年に対し約1割も減少した。不況で高額品・ブランド品の消費が低迷しているだけではなく、ユニクロなど専門店との競合も激化しており、百貨店からの客離れ傾向が続いている。百貨店は市場の流れから取り残されつつあり、また百貨店ビジネス自体が終末期にあると見る向きも少なくない。

 その中で増床投資に打って出るリスクは少なくない。よって総事業費420億円を投じた三越銀座店のリニューアルは、三越伊勢丹ホールディングスの社運をかけた大勝負だと言っても過言ではない。

銀座の一番店争奪戦

 銀座は日本屈指の商業地域であり、三越は銀座4丁目交差点という最高の立地に店舗を構える。にもかかわらず三越銀座店は松屋銀座店の後塵を拝し、百貨店店舗としては中堅レベルの売り上げ規模に低迷していた。

 三越銀座店が苦戦していた原因の一つは、売場面積2万4000平方メートルという中途半端な店舗規模にあった。“巨艦”化競争を繰り広げてきた百貨店業界では、基幹店クラスの売場面積は概ね5万平方メートル以上が標準となっている。たとえば伊勢丹新宿本店の売場面積は6万平方メートルを超え、三越本店の売場面積は10万平方メートルを超えている。これに対して三越銀座店の売場面積はこの水準に遠く及ばないだけでなく、松屋銀座店の売場面積(約3万2000平方メートル)にも大きく劣っていた。

 百貨店ビジネスでは、地域一番店の看板を得るメリットが非常に大きい。百貨店が立地する多くの商圏では、地域一番店のみが利益を確保し、二番店は損益トントン。三番店以下は赤字という状況が一般的である。集客力に優れた地域一番店には、有力な取引先や魅力的な商品が集まる。このため地域一番店には、「集客力があるから売場の魅力が高まり、それによってさらに集客力が高まる」というポジティブスパイラルが働くのだ。

 地域一番店の座は極めて重要であり、そのためにはまず店舗規模で一番になる必要があると言うことができよう。下のグラフは、銀座・有楽町地区の百貨店の店舗規模と売上生産性を示している。これを見ると、店舗規模が大きいほど生産性が高まることが分かる。

「三越流」からの脱却がカギになる

 三越銀座店が苦戦していた原因は、店舗規模で劣ることだけではない。より致命的な問題として、三越流のビジネススタイルの古さが指摘できる。かつて百貨店は小売業界の王者であり、なかでも三越は最高の暖簾(のれん)を誇っていた。三越の暖簾(のれん)には希少性があり、ほっておいても顧客が集まり、取引先も三越の売り場を求めてしのぎを削っていた。

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