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貸し倒れリスクで売上高が変わる

収益認識に新たな基準案

2010年9月21日(火)

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 IFRS適用が企業に大きな影響を及ぼしそうなものの1つが売上高の計上方法の変化。出荷基準から着荷基準へなど計上タイミングの変化はある程度知られているが、ここにきて取引先の信用リスクを売上高に反映させるといった新たな基準案が出てきた。

 収益認識(売上高計上)はさらにどう変わるのか――。有限責任あずさ監査法人IFRS本部パートナーの山辺道明氏に聞いた。

(聞き手は日経ビジネス編集委員 田村賢司)

―― 売上高の計上タイミングは、日本では多くの場合、モノやサービスの出荷時になっているが、現行のIFRSではモノやサービスが取引先に着いた段階である着荷時、あるいは相手が検査などをして受け入れる検収時。IFRS適用による売上高計上では、これが大きな変化になると言われてきたが、最近、さらに大きな変化が見えてきた。

山辺道明(やまべ・みちあき)
有限責任あずさ監査法人IFRS本部パートナー。KPMGロンドン事務所などを経て2003年、あずさ監査法人入所。日本公認会計士協会IASB(国際会計基準審議会)対応専門委員会委員などを務める

 山辺 今年6月に公表された公開草案ではもう1つ重要なものが出ている。ひと言で言えば「顧客の貸倒リスクを売上高に反映する」ことだ。つまり、顧客の貸倒リスクを判定し、そのリスク分を売上高から差し引いて計上するのである。

 とはいえ、通常は取引相手の貸倒リスクは容易に分からないので、通常は同じような契約における過去の貸倒実績を使うことになると考えられるが、これまでは取引金額をそのまま売上計上しているのだから大きな変化だ。従来、100の売上があったものが、貸倒予想額が10であるとすると売上高は90になるのだ。

―― 同じような契約とはどのようなものか。

 公開草案では、詳細な規定はない。業種や取引形態、顧客の特性などで判断することになるだろう。

 そこは企業自身の判断になる。同じ事業の中で取引相手の貸倒実績をまとめて把握しているならそれでいくこともあり得ると思うし、同じ事業の中でも規模などで顧客を複数のグループに分けて管理していれば、そのグループごとの貸倒実績を個々のグループにおけるリスク判定に使う方法もあると思う。

前受金について金利費用を認識する

―― 前受金の売上計上にも変化がでてきたが。

 IFRSではこれまでも分割支払いなど債権回収が長期にわたる場合、売上高の一部は金融取引だとして分けて「受取利息」に計上していた。

 今回の公開草案では、工期が長期にわたる取引などで前受金を受けているような場合の扱いが変わることになった。

 これまでは前受金額を売上計上時にそのまま売上計上するだけだったが、公開草案に従えば売上高に計上するまでの間、前受金について金利費用を認識し、前受金に金利費用を加えた金額を売上計上しなければならなくなる。

 先ほどの分割受け取りの逆のようなもので、売上高を計上するまでの前受金をいわば取引相手からの借り入れとみなし、その利息を上げるわけだ。

 工期2年で100の前受金があり、金利が2%なら、2年間にわたって2ずつの利息費用を計上しなければならなくなる。

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「貸し倒れリスクで売上高が変わる」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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