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「期待通り」を満たしても「魅力」にはならない

【期待の条件編その3】「魅力」とは、「期待以上」への予測

2010年9月29日(水)

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 予期せぬ出来事は人を驚かせる。数年前に、長いこと会っていなかった友人から突然電話がかかってきたことがある。奇しくも僕がその電話を取ったのは日本ではなく滞在中の台北のホテルの自室であった。

 もちろん、普段から毎日のように仕事で海外と携帯電話で話をしたり、日常的にメールをやりとりしたりしているのだから、今さら海外から電話がかかってきたことぐらいでそんなに驚くことは何もないはずだ。

 しかし、その時かかってきたのは30年以上会っていなかった大学の級友からのものだった。正直、電話を取って話し始めた時には電話の相手がどこの誰か分からないまま、しばし「不安」と「不信」の心理状態が続いた。

 そして電話を切ってから、いささか大きな衝撃というか、改めて驚きを感じた。まさに全く「予想」はおろか「予感」さえしていなかったことであり、起こるはずがない予期せぬ電話だったからだ。

「予期」「予感」「予測」の微妙な違い

 その日の出来事を振り返って思うのだが、我々が普段から「これから起きるであろう」出来事に対して何気なく使っている言葉にも、表現や使い方が実に様々で変化に富んでいるのは興味深い。

 例えば「これから起きる」事象に対して、よく使う言葉として「予期」「予感」「予想」「予測」などといった言葉がある。これらはいずれもあらかじめこれから起こってほしいことを「期待」したり、起きそうだと考えられることに「覚悟」をしたり、思いを巡らしたりする時などに使われる言葉である。

 これらの言葉が持つ本来の意味や表現には、それぞれにこれから起きることに対する微妙に異なる心境や心構えが暗示されているようだ。

 「予期」という言葉を例に取れば、この言葉はよく驚きと共に使われることが多い。「予期せぬ出会い」や「予期に反する結果」といった表現に代表されるように、主として自分が心に想うこと、つまり「期する」ことにそぐわない事態が起きた状況で使用されることが多いと思われる。

 つまり「予期」という言葉は状況が自分の「期待」をしていた方向とは違った結果を呈した場合や、全く自分が想像していなかった結末をもたらした時によく使われると言える。「予期」は日常的には一つの事態の予想外の結びや「期待」とは異なった結末がもたらされた場面で使われることが多いことが想像できる。

 それに対して「予感」という表現の場合は、「予感が当たる」や「秋の予感」というように、自らの思惑あるいはこの後に何かが始まるだろうという漠然とした心持ちや事態の流れに向けた眺め模様の心理を象徴する言葉のように思われる。

 そう考えると「予感」はかなり漠然としているものの、自らの「期待」やそれに伴う「不安」も包含している言葉であり、これから起こるであろう展開や自分が「期待」できる状況の行方に対する大きな意味での思惑が含まれている場面で使われることが多いと言える。「予感」には事象に対する主体的な関わりというより、起こった事態を受け止める側の受動的な心理が大きく反映されている。

 これが「予測」という表現になると、ずっと主体的な意志の関わりや自らの推し量りが込められた言葉であると言えるのではないか、と考える。あらかじめ自分が立てた計算や計画性などこれから起こることへの主体的な関わり方が感じられる。「予測」は計画された「期待」に沿った心理に伴って使われることが多い言葉であり、起こる事態への自らの関わりの存在を有していると言える。

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