この連載は先週、9月13日からスタートしました。お忙しい中、みなさんからのコメントを頂戴し、たいへんありがたく思っています。
本連載は、NHK大河ドラマ『龍馬伝』のシーンからマナーコミュニケーションをお伝えするコーナーです。ドラマですから演出、脚色が入っていますが、私たちが日常で役立ち参考にできるシーンがたくさんあります。マナーの視点からドラマをご覧になると、あなたの仕事において別の見方や発想が生まれてくるかもしれません。
意見は異なるのが当たり前
『龍馬伝』のシーンの中で、最も私が影響を受けたのは次のシーンです。
「物ごとってのはよぉ、こっちから見るのと、あっちから見るんじゃぁ、まるで違ったものになってしまうってことさ」
これは、勝麟太郎の言葉です。私は常々「自分と全く同じものの考え方や性格の人は居ない。だから、意見や価値観が違うことが感情のもつれを生み、トラブルに発展する場合がある。そのような関のために不快になったり、イライラしたりしないためにもマナーは必要」と言っています。
マナーとは、相手の立場に立つことです。
意見の異なる人とコミュニケーションを取らなければならないならば、相手の立場に立って、相手が不快にならないよう、何かを言ったり行なったりするのがマナーです。相手の感情をプラスにすることができるなら、さらに良いでしょう。
Yes、But
前回、龍馬と以蔵のシーンを取り上げて「ダブルエッグバーガー話法」をお伝えしました。あのシーンの後に、ドラマでは次のシーンへと移ります。
人斬りをしている以蔵を“こっち”から見て、「それはイカン」と否定する人も居るでしょう。いっぽう、“あっち”から見て「以蔵は武市のためによくやっている」と評価をする人も居ることでしょう。
龍馬は前者でした。では前者だからといって龍馬は開口一番、「お前、人斬りはイカンぜよ!」と言ったでしょうか?
ここに龍馬のマナーコミュニケーション能力の高さが伺えます。
龍馬はステップ1として「おまんは、心根の優しい男じゃ」と言います。これは、「以蔵、お前が武市さんのために人斬りを行なっている、その気持ちは分かっているよ」と相手の意見・気持ちに対して“YES”と共感を示します。
共感・理解を得た相手の心の扉は開きます。人に何かを伝えたいとき、相手の心の扉が開いていなければ、あなたが伝えたいことを、相手は心の扉で跳ね返し受け入れてくれません。だから相手の心を開らかせる、相手に心を開いてもらうことは自分のためにも大切なことなのです。
そして、ステップ2として「けんかはすな」とさとします。“BUT”(しかし」と言って、自分の意見を伝えます。龍馬は、有名なコミュニケーション法である「YES、BUT」法を実践しています。
相手の意向を伺う
しかし龍馬はここでは終わりません。
ステップ3として「まっこと強い男はのぉ、めったなことでは剣は抜かんものやき」と言います。
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