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フツーの百貨店、通販カタログよりも楽しい“目利き”の品揃え

2010年9月28日(火)

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 どんなに望んでも、もう社会のサイズやマーケットのスケールが元に戻ることはない。これだけが、今のところの真実です。企業にとっては、世界にマーケットを求めるしかありません。しかし、これとても収益の維持、拡大が念頭にあるためです。

 でも、社会やマーケットのサイズが変わるということは、マーケティングの考え方も変えなければならないはず。実際には、これができていない企業が多すぎるということが、今の日本の問題のでしょう。

 たくさん売って、たくさん儲ける。利幅を下げてでも、量を売ることが美学。消費者の共通の志向をつくって、同じ価値観のモノを流通させる。ま、これらのことが今までのマーケティングの常識でした。これにしがみついている企業のなんと多いことか。それでいて、グローバル時代に対しての自信もない。ほんとうに、自信喪失の時代です。

 でも、待てよです。たしかに、今までは欧米流のマーケティングを踏襲していればうまくいっていました。しかし、それが破綻したのですから、違うやり方をすればいいだけのこと。日本には日本人らしいやり方があるはずです。ご存じのように、日本人は世界でもまれな対応力を持った国民。どんな災害にあっても、あっという間に復興する力は歴史的に証明済みです。

 で、ありました、ありました。日本人お得意の「こだわり」術。刀は切れれば用が足りますが、ため息がでるほど美しくしてしまう。欧米からは無駄な美しさと揶揄されますが、それこそが他の国が真似できないこと。携帯電話もガラパゴスと言われますが、それはグローバルとの均質性という観点から見ただけの批判。とことん突き詰める性癖が、電化製品、クルマ、デザインなど日本流をつくってきたのは間違いありません。日本人は、「世界一のこだわり術つかい」なのです。

 つまり、日本人はモノの価値観を別次元で捉えることができる。モノの先にあるのは、単なる機能ではなく、何か人の心を揺さぶるモノだと。それ故、モノを見る目が深い。目利きと呼ばれる人は、どこか俗人とは違った思考をしているようで、その人の鑑定には有無を言わせない空気が漂っています。

 この「目利き」が無意識なのでしょうが、時代の要請のようにマーケットの表面に顔を現しはじめました。今までは、通の世界、限られたマーケットの中で完結していた目利きビジネス。いよいよ目利きが、社会の目利きを開始したようです。

 まずは、みなさんもおなじみの本屋さんで。本離れが加速し、ここ10年で書店数は約2万店から約1万5千店に。小さな本屋さんが続々と姿を消しているのです。ここに目利きが登場。東京・丸善では編集の巨人・松岡正剛さんと組んで「松丸本舗」を展開。行かれた方も多いと思いますが、松岡さんはまさに本の最高の目利き。ビジネス、文学、美術などという従来のジャンル分けではない、まったく違った見方で本棚を作り直しました。

 現在の分け方は、「男本、女本、間本」。これまでにない本との遭遇の仕方なので、思わず違う脳が刺激され、ついつい手が伸びる。本が、目利きによって違う価値を見せ始めるのです。

 これと同じ現象が、全国の小さな本屋さんでも起き始めました。生き残りのためですが、本屋さんとしてのこだわりがそれを行動に移させたのでしょう。つまり、消費者やトレンドに合わせた棚づくりではなく、私が選んだ本を見てくれ、という売る側の視点です。ここには、流通としての書店ではなく、プロの本屋さんとして貴重な情報提供するという態度変換が起きています。これこそが、本から離れていった人たちを再教育するという重要な側面が隠されているのではないかと私は思っています。

 これこそが、アマゾンとは違う、リアルな本屋さんの楽しみだったはずです。

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「フツーの百貨店、通販カタログよりも楽しい“目利き”の品揃え」の著者

関橋 英作

関橋 英作(せきはし・えいさく)

マーケッター

外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当、成功に導く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官