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マクドナルドに見る“プロ経営”のすごみ

433店を戦略的に閉店~リストラは業績好調時にこそ断行する

  • 小屋 知幸

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2010年9月28日(火)

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減収減益だが業績好調!

 日本マクドナルドホールディングスの2010年6月期中間決算は、売上高が前年比11%減、当期利益が59%減の減収減益決算となった。だがこの“悪決算”は表面上のことで、実態としてはマクドナルドの営業は好調だし、収益性も改善している。多くの外食企業が既存店売上高の低下に悩む中で、マクドナルドの今上期の既存店売上高は前年同期比2.8%増加した。そして経常利益は前年同期比58%の増加。売上高経常利益率も前年の4.9%から8.7%へと、大幅に改善している。

 この中間期の業績が減収減益となった最大の要因は、大量の店舗閉鎖だ。2010年上期にマクドナルドは211店舗の「戦略的閉店」を実施した。下期にも222店舗を閉店する計画である。同社はこれにともなう店舗閉鎖損失などの特別損失を、この上期に約100億円計上した。

 マクドナルドはこの大量閉店を「ブランド価値向上のための戦略的閉店」であると説明している。立地・規模・設備水準などが自社の規格に合わない店舗は、たとえ黒字店であっても閉鎖する。それによってチェーン全体の価値を高める戦略を、マクドナルドは推進しているのである。

安売り企業から価値売り企業へ転換

 マクドナルドの業績改善は、アップルコンピュータ日本法人の社長を経てCEOに就任した原田泳幸氏の手腕によるところが大きい。原田氏が日本マクドナルドのCEOに着任した2004年当時、外食業界には「外食の素人に外食企業の経営はできない」と考える人が少なくなかった。だが原田氏は、迷走していた日本マクドナルドの経営を一気に立て直すことに成功した。

 2004年当時のマクドナルドは、単なる安売り企業にすぎなかった。マクドナルドは1990年代に、ハンバーガーの価格を大幅に引き下げ、“価格破壊”の嵐を巻き起こした。そして瞬く間に競合企業を駆逐し、業界の覇者となったものの、その後の業績は低迷した。2004年当時のマクドナルドは価格訴求に走るあまり、品質の訴求力が失われ、ブランド価値が大幅に損なわれていた。そして価格志向の強い消費者のみがコアユーザーとして残り、価値志向の強いユーザーはマクドナルドから離れて行った。

 マクドナルドの業績が急浮上できたのは、ブランド価値を再生できたからだ。近年のマクドナルドは、「100円マック」などの低価格商品で価格競争力を維持しつつも、「えびフィレオ」や「メガマック」などの高付加価値商品を次々と投入し、価値志向の強いユーザーを取り戻すことに成功した。このように「安売り企業」から「価値売り企業」に転換できたことが、マクドナルドの業績の急回復につながった。

水膨れ経営から脱却する

 今まで多くの外食企業が、「成長期⇒水膨れ期⇒衰退期⇒リストラ期」というサイクルをたどってきた。

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