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【鼎談編 その3】言われてみたい!「愛とは責任である。彼はそれを全うした人だ」

2010年9月29日(水)

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(前回から読む

「オトコらしくない」から、うまくいく』(日本経済新聞出版社)

 「SAMURAI(サムライ)」マネージャーの佐藤悦子さんと、ジャーナリストの清野由美さんによる連載「『オトコらしくない』から、うまくいく」が、大幅な加筆修正を加え、日本経済新聞出版社から単行本として刊行されました。単行本発売記念としてお送りしている、佐々木常夫さん、佐藤さん、清野さんの鼎談、今回はその3回目。お三方のプロフィールは、こちらを。

 さて今回のタイトル。「愛とは責任である。彼はそれを全うした人だ」。自分にそんなことを言う人が現れるとは思いませんが、もし他人からこう言われたら、人生、生きてきた甲斐がある。そんな言葉だと思って、お話しの中から抜粋しました。そういわれるために必要なのは、ある、覚悟(本文参照)なのだと分かります。そして、その覚悟があれば、育児や料理といった家事も、仕事に生きるスキルにつながっていくのではないか…?それは「オトコらしく」生きていると、なかなかできないことなのかもしれません。

 育児は妻まかせ、料理も出来ない「オトコらしい」私が思わずシビれた佐々木さんの体験と言葉、ウェブと単行本でぜひ味わってくださいませ。


(編集Iさん、前回は代打ありがとうございました:編集Y)

佐藤 佐々木さんが入社されたころの東レは、重厚長大企業の代表で、皆さん企業戦士として入社されたと思うのですけれども、佐々木さんがそれ一色に染まらなかったのは、どうしてだったと思われますか。

佐藤 悦子さん
(写真:樋口とし 以下同)

佐々木 長男が自閉症で、妻が病気で長いこと入退院を繰り返したことで、家庭のことに目を向けざるを得なかった。もう必然的に6時に仕事を終えなければなりませんでしたから。まあ、それがなければ普通の企業戦士と同じように突っ走っていたかもしれません。ただ、私は自分を成長させたいと思っていましたから、いずれにしろ会社の仕事一辺倒で自分の時間をつぶすことはしなかったとは思います。

清野 失礼な質問になりますが、離婚が頭をよぎることは、なかったのでしょうか。

言われてみたい、こんな台詞

佐々木 この間、作家のよしもとばななさんが、彼女のブログに、私の『ビッグツリー 自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて』を読んだ感想を書いてくれたんですね。それによると、「佐々木さんという人は、愛とは責任である、ということを全うした人だ」ということだったのですが、私自身は、「そんなこと、別に責任でやったわけじゃないんだけどな・・・」と思っていたんです。

 ところが、ある講演会で話をした時、一番前に座っている女性から、今と同じ質問が出ましてね。「佐々木さんは奥さんと離婚を考えたことがありますか」って。私はそんなことは人から聞かれたことも、自分で考えたこともなかったから、とっさに「いや、一度もありません」と答えました。なぜですか、とさらに尋ねられたので、「いや、だって、自分が結婚したんでしょう。自分の子どもでしょう。自分が入った会社でしょう。そこで頑張らなくてどうするんですか」、と。そうやって答えている時に、「あ、『愛とは責任である』とは、そういうことなのかな」と思いましたね。

清野 さすが、よしもとばなな(笑)。

佐々木 そんな私の考えの基には、母親の姿がありますね。私の父は、4人兄弟の次男だった私が6歳の時に亡くなりまして、母はその4人の子どもを女手ひとつで育てたんです。ただ、そんなに苦労したのに、あの人はいつもにこにこと笑っていました。自分の運命を引き受けていましたよ。

 きっと私は、「自分の運命を引き受ける」ということを、母に教えてもらったんですね。だから、妻がうつ病になったのも仕方ないこと、子どもが3人もいれば1人ぐらい障害は出るわな、と。そういったことを全部引き受けて、ぐちぐち言っても始まらないから、そこで一生懸命頑張る。そうすれば、ある程度の結果も出るかもしれない、と。その姿勢を持つことで、妻が7~8年間にわたって、ずっとうつ病と闘っている時も、何とかサポートできたんじゃないのかな、と思っていますけどね。

危うさ、惨めさは当然感じました

清野 家庭の事情がなければ、企業戦士だけの価値観に偏っておられましたか?

佐々木 ということはあったでしょうね。ともかく私の場合は、必然的に6時に帰らなきゃいけなかったですから、そこまで偏りはしませんでしたけれど。

 妻はだいたい年に6回か7回は入院していました。その内、2回に1回、3回に1回は救急車で運ばれていましたから、家族も病院へすぐに行かなきゃいけないんです。そういう場面が続くと、妻といろいろ話をしたり、子どもの面倒も見たりせざるを得ないから、そこで気が付いたことはいくらでもありますね。妻が普通に健康だったら、何も気が付かないままだったでしょうけど。

清野 仕事と家庭を担う中で、危うさを感じたことはありましたでしょうか。

佐々木 危うさは何回も感じましたよ。何とか乗り越えてきましたけど、すごく惨めだったりして。

清野 ・・・それはそうでしょうね。

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「【鼎談編 その3】言われてみたい!「愛とは責任である。彼はそれを全うした人だ」」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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