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世界一優秀なミドルマネジャーは日本の課長

『はじめての課長の教科書』の著者、酒井穣氏と語る(上)

2010年9月29日(水)

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 人は学校を卒業し社会人となったら、成長が止まってしまうのか。仕事などを通じて学習し、成長し続けはしないのか──。

 こうした疑問から出発して、「大人の学習と成長」という新たな研究領域を創り出し、企業の人材育成担当者たちの注目を集めているのが、新進気鋭の教育学者、中原淳・東京大学大学総合教育研究センター准教授である。

 大人の学習と成長について研究するだけでなく、大人が学習する機会をプロデューサーとして提供してもいる。東京大学で定期的に開催している「Learning bar@Todai」がそれだ。

 企業などで人材育成を実践する実務家や研究者をゲストスピーカーとして招き、聴衆を巻き込んで大人の学習のあり方を議論する。毎回、200人の定員を大幅に上回る応募があるほど盛況だ。

 このコラムでは企業の人材育成に新風を吹き込み続ける中原准教授が、実務家や研究者と対談し、大人の学習のあるべき姿や進化形を模索する。

 初回の対談相手は、今年5月に行われたLearning barにゲストスピーカーとして登場した酒井穣氏。企業向けインターネットサービス事業を展開するフリービットで様々な人材育成法を次々と導入し、イノベーションが重視される時代に必要とされる新たな人材の育て方を追求している。

 その試みをまとめた『「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト』(光文社新書)や、フリービットに入社する前に執筆した『はじめての課長の教科書』『あたらしい戦略の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はいずれもベストセラーになった。

 再び顔を合わせた2人は、Learning barで行った“実験”を振り返りつつ、これからの人材育成の要諦について改めて論じ合った。その模様を3日間連続で紹介する。

中原 前回のLearning barにご登場いただき、改めて御礼を申し上げます。酒井さんをゲストスピーカーとしてお招きしたのはもちろん、『はじめての課長の教科書』や『「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト』に書かれていた内容が面白く、それを多くの人に伝えたいと考えたからですが、実はもう1つ狙いがありました。

 それは、「ケースメソッド」を200人という大人数を相手に実践することです。事前の打ち合わせでも、まずそのことを酒井さんにお願いしました。

酒井 そうでしたね。

人材育成でも有効な「ケースメソッド」

中原 ケースメソッドはビジネススクールで広く実施されている教育法で、実際に企業で起こり得る出来事(ケース)を題材にして、先生と生徒が一緒になって議論を行う点に特徴があります。通常の講義のように一方通行ではない。

 このケースメソッドをLearning barで実践しようと考えたのは、企業の人事部で人材育成や人材開発に携わっている人やラインのマネジャーさんたちに、人材の教育手法としてもっとケースメソッドに取り組んでほしいという思いがあったからです。

 そこでフリービットで人材育成にケースメソッドを活用している酒井さんに、Learning barでの実践をお願いし、ケースメソッドが人材の育成でいかに役立つものなのか、聴衆として参加している実務家や研究者に体感してもらおうと考えたわけです。

 一度に200人もの聴衆を相手にケースメソッドを行うのは無謀だったかもしれませが、聴衆の方々には好評だったと思います(当日の様子はこちらを参照)。

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今年5月に開催されたLearning barの様子。200人の聴衆を相手に「ケースメソッド」を実施した(写真:陶山 勉、以下同)
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酒井 確かに手応えがありました。ケースメソッドの最大の利点は、他者の経験を“追体験”できることにあります。

 本来は自ら経験した方が成長するのですが、1人の人間があらゆることを経験することは不可能です。ケースメソッドを活用すれば、自ら経験できない部分を補える。

 しかも、ケースの討議には複数の人が参加するので、同時に1人ではなく多くの人を教育できます。さらに、複数の人が議論することによって1人では考えつかないような結論を導けるなど、様々なメリットがあります。

 もっとも、200人もの人数を相手に行うのは、私も初めてでした。ケースメソッドのエッセンスはくみ取っていただけたという感触はありましたね。

 ビジネススクールで行われているものだから、難しいものという印象があるかもしれません。

 でも、どんな会社も、マネジャーの育成や社員の能力開発など、人材の教育において多くの課題に直面しているはずです。そうした課題をベースにすれば、ケースを書くことはそう難しくないと思います(酒井氏が作成したケースはこちら)。

 別に文章はうまくなくてもいいから、とにかくケースを作成して、それを基に議論を交わしてみる。「こういうことがあったら、どうしたらいいか」というように。

 題材はいくらでもあるはずです。例えば、新任の課長が就任早々に部下の指導で戸惑うケースなど、誰にでもすぐに思い浮かぶでしょう。

中原 確かにマネジャーになったばかりの人にとって切実なのは、部下たちをどう指導したらいいかということですよね。

酒井 そうそう。例えば、自分より年上の係長が2人いて、表向きは協力してくれているけれども、裏では陰口をたたかれているといった状況とか。

中原 そうした時にどう対処するのか。酒井さんがおっしゃったように、複数の人で議論することによって、1人では思いつかないような答えを見いだせることもあります。ぜひ多くの方に試してほしいですね。

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