「激走!ベンチャー・スタジアム 〜僕の楽天イーグルス創業記〜」

【5回裏】 カラスコは球団よりも子供のために生まれた

上司に聞く事業(2) 〜成功の秘訣「仮説、実行、検証、仕組み化」

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2010年9月29日(水)

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 今回は、楽天野球団副社長、池田敦司氏のインタビュー後編をお送りします。

 東北楽天ゴールデンイーグルス時代、南壮一郎氏の上司として、スタジアム事業の立ち上げを担った池田副社長。大手百貨店時代のキャリアから、スタジアムも百貨店と同じ「大規模集客装置」と考え、様々なイベントの企画を指揮します。

 数々のプロジェクトの中には、大成功を収めたものもあれば、失敗に終わったものもあります。池田福社長は、これらの膨大なプロジェクトの経験から、次の成功につながる要素は何かを見出していきます。

 そのプロセスは、「仮説、実行、検証、仕組み化」の繰り返しだといいます。楽天の三木谷浩史社長の掲げるビジネスの鉄則の1つでもあります。今回は、このビジネスを成功に導く大原則についても触れています。

 また、最後に、楽天イーグルスの名物マスコット、「ミスター・カラスコ」誕生の裏話もあります。

(日経ビジネスオンライン編集部)

はじめから読む)

前回から読む)

日経ビジネスオンライン編集部(NBO) 前回は、期日までに時間がない中で、殺人的な仕事量を、次々とこなしていくお話をうかがいました。それで、どうしたんですか?

池田 敦司(いけだ あつし)氏
1956年宮城県仙台市生まれ。79年早稲田大学法学部卒業、同年大手百貨店入社。2005年1月楽天野球団入社、スタジアム事業本部長。2008年1月から取締役副社長。

池田 とにかく、聞けるものは、どんどん他社に聞きました。南君ともよく一緒に全国へ出張しましたね。飲食などは札幌ドームさんに聞きに行ったり、そこに入っていた代理店の方に臨時で出張していただいて、助けてもらったり。あとは野球場の運営管理をする専門会社というのがあって、いろいろ手伝ってもらったりはしました。

 でも手足は増やせるけど、意思決定というのはやっぱり1カ所じゃないですか。寝ないでやるのが偉いというわけでは決してないですけど、当時はだいたい平均睡眠時間が3時間ぐらいで働いていましたかね。

 多少の焦りはありましたけど、パニックにはなりませんでした。やっぱり、それだけ社会的に意味があり価値があることだと、私も皆も思っていましたし、絶対できると皆が確信を持っていました。

 終わってみれば、ああ、人間、何でもできるんだなという感覚でしたね。

「シャワー効果」っていう言葉が百貨店にあるんです

NBO 前回、百貨店と野球は、大規模集客装置という点において、本質的には同じであるとおっしゃいました。この点、もう少し聞かせていただけないですか?

池田 そうですね。例えば、「シャワー効果」っていう言葉が百貨店であるんですよ。上層階で催し物などを行って、まずたくさんの人を集めるんです。そして、そのあと各フロアに買い物に降りていって、まるでシャワーのように全館が潤うという感じなんですけど。

 それを、球場に置き換えて考えてみたことはありますね。球場で、シャワーの注ぎ元を作らないといけないわけじゃないですか。その根源的なものは、野球の試合なんですが、それ以外の付加価値の中で、核になるものを作らないといけないという考えはありましたね。

NBO それは、食事だったり、イベントだったりするんですか。

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著者プロフィール

南 壮一郎(みなみ・そういちろう)

南 壮一郎 ビズリーチ代表取締役。1976年生まれ。1999年、米・タフツ大学数量経済学部・国際関係学部の両学部を卒業後、モルガン・スタンレー証券東京支店に入社。投資銀行部においてM&Aアドバイザリー業務に従事する。その後、香港・PCCWグループの日本支社の立ち上げに参画し、日本・アジア・米国企業への投資を担当。2003年、株式会社S-1 スポーツを自ら設立し、日米のスポーツ関連企業に対し、戦略コンサルティング業務を行う。
 2004年、楽天の三木谷社長に直談判し、楽天イーグルスの創業メンバーとなる。GM補佐、ファン・エンターテイメント部長、パ・リーグ共同事業会社設立担当などを歴任し、初年度から球団事業においては不可能とされていた黒字化成功に貢献する。
 2007年、株式会社ビズリーチを設立し、代表取締役に就任。年収1000万円以上の転職市場に特化した、日本初の個人課金型・転職サイト「ビズリーチ」を運営。現在は、ジュビロ磐田のアドバイザーも務める。Twitterのアカウントはswimmym。8月4日から、割引クーポン共同購入サイト「LUXA(ルクサ)」を開始した



このコラムについて

激走!ベンチャー・スタジアム 〜僕の楽天イーグルス創業記〜

 楽しいシゴトは、自分で作る――。本連載は、これからの日本を背負う、20〜30代に向けたエールです。どこを向いても元気のない状況の中、次代を担う若い世代の仕事に対する意欲の低さを危惧する声が、しばしば指摘されています。でも、本当にそうでしょうか。つぶさに目を凝らせば、意識の高い人は、あちこちで活躍しています。
 本連載の主役は、そんな志を持つ1人のベンチャー経営者です。ジェットコースターのような彼の体験を追いながら、活力ある若手経営者の奮闘ぶりをご覧ください。自分の夢を内に秘めている人、何か新しいことを始めたくて、ウズウズしている人には、何かが響くはずです。

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