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人材育成は経営そのもの、人事と経営の融合が始まる

『はじめての課長の教科書』の著者、酒井穣氏と語る(中)

2010年9月30日(木)

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 「大人の学習と成長」を研究する中原淳・東京大学准教授とフリービットで独自の人材育成を実践する酒井穣氏の対談の2回目をお届けする。

 前回では、日本の課長が欧米のミドルマネジャーを上回る能力を持っており、課長を生かすことが日本企業の再生につながる点を確認し合った。

 今回は、これからの人事が目指すべき“目的地”を確認。そこにたどり着くために企業の人事や人事部はどう変わらなければならないのか。それぞれのあるべき姿を論じる。

中原 日本に戻ってきて、フリービットに転職されたきっかけは何だったんですか。

酒井 日本に帰るつもりはなかったんです。オランダの永住権を持っていたし、ティルバーク大学の経営大学院を卒業した後はそこで臨時講師をしていました。博士課程への進学も勧められていた。

 博士課程で学びながら講師をして、ベンチャーの経営に携わる。こうした形で進めばいいと思っていました。

 そうした考えが変わったのは、フリービットの社長である石田宏樹に出会ったからです。

 『はじめての課長の教科書』の次に書いた『あたらしい戦略の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を彼が読んで、日経ビジネスの書評欄で紹介してくれた。

 書評を編集者が送ってくれて、石田が課題図書として全社員にこの本を配り、戦略についての定義を社員で共有しようとしていることを知りました。

 それまでフリービットについては聞いたことがなかったので、興味を持って同社の特許を調べてみました。その結果から、同社がどういう方向に行こうとしているのかを分析して、その結果をお礼も兼ねて自分のブログで公開しました。

 それをきっかけに石田と電子メールによるコミュニケーションが始まり、日本に一時帰国した時に、フリービットで戦略についてのプレゼンテーションを行った。その日の夜に石田と夕食を供にして、その場で「一緒にやりましょう」と握手を交わしました。

 フリービットが良い会社だと思ったこともあったのですが、決め手になったのは石田の存在ですね。「日本にもこんなリーダーがいたのか」と感銘を受けた。

 それまでは自分自身をリーダーだと思っていたのですが、自分よりもはるかに上がいることに気づかされた。それで彼をフォローしたくなったわけです。

中原 なるほど。そうした経緯があったんですね。

企業をありたい姿に導くのは人材育成戦略

酒井 石田と握手した理由はほかにもありました。『パフォーマンス・コンサルティング』(ヒューマンバリュー)という本に書かれていることを、石田の下で実行してみたいと思ったんです。

 僕はよく「人材育成という仕事は、研修のデリバリーじゃなくて社員のパフォーマンスを向上させることにある」と言うんですが、そのネタ本です。すごく影響を受けていますね。

中原 淳(なかはら・じゅん)氏
東京大学大学総合教育研究センター准教授。1975年生まれ。大阪大学博士。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人々の学習と成長を研究。主な著書に『リフレクティブ・マネジャー』(光文社新書)など(写真:陶山 勉、以下同)

中原 人事が研修を担当するんじゃなくて、企業がビジネスで成果を上げるために貢献すべきだと説いた名著ですね。

酒井 『あたらしい戦略の教科書』の中で、「戦略とは、現在地と目的地をつなぐものだ」と定義しました。あるべき姿、すなわち目的地を明らかにして、さらに現状を把握する。その間をつなぐのが戦略であると。

 『パフォーマンス・コンサルティング』の素晴らしいところは、「こうありたい」と目標に掲げている姿に至るためには、そこで働く人がどうあらねばならないのかを因果関係で結んで考える点です。

 「こうありたい」という姿に企業を近づけていくために、そこで働く人がどのようなパフォーマンスを発揮しなければならないのか。その因果関係をまず考えろというわけです。そのために人材のあるべき姿や求められるマインド、スキル、ナレッジ、人材要件をきちんと定義する。

 現在地についても、それが「こうありたい」という目的地から遠く離れている理由を人材要件としてアセスメントする。現在働いている人が、目的地に照らしてどういう状態にあるのかを明らかにするわけです。

 その結果、人のあるべき姿と人の現在地が分かる。その間をつなぐものとして出てくるのが人材育成戦略になります。こうなると、企業をありたい姿へと導くのは人材育成戦略じゃないかという大きな気づきがあった。

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