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目的と目標を常に最適に。修正は迅速に。

新宅 正明 認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本副理事長

  • 増田 晶文

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2010年10月8日(金)

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 トライアスロンには、最も過酷なスポーツというイメージがついてまわる。「オリンピック・ディスタンス」と呼ばれるポピュラーな種目でも、スイム(水泳)1.5kmにバイク(自転車)40km、最後はラン(長距離走)10kmを連続してこなさねばならない。最長距離を行く「アイアンマンレース」にいたってはスイム3.8km、バイク180km、ラン42.195km(フルマラソン)で競技制限時間が17時間というのだから、聞いただけで頬がひきつる。

 ところが、そんなトライアスロンに挑む経営者たちがいる。しかも年齢層は40代から50代が中心だ。中には60代の女性も・・・彼ら彼女らはトレーニングの時間を確保するのが難しいどころか、泳いだことも、漕いだことも、走ったこともないという、聞くだけで思わずつんのめってしまいそうな“猛者”たちだった。無謀、無茶、無理――どれだけ言葉を連ねてもまだ足らない。「スポーツをなめんなよ」という怒声も飛んできそうだ。

 だが、無鉄砲すぎるチャレンジャーたちには共通した姿勢と資質があった。それは「意思決定力」と「実行力」にほかならない。どれだけ遠大で厳しい目標であろうとも、やると決めたらひるまない。いや、だからこそチャレンジのしがいがあると奮い立ち、最善の方法を模索する。

 そうしながら、苦しいはずのトレーニングや本番のレースを「愉しみ」に転化させ、成果を「豊かさ」へ結実させる「転換力」も発揮してみせるのだ。

 トライアスロンへの取り組みは、彼らの経営や生き方に重なっていく。

 ようやく汗がひいた。

 新宅正明はバスタオルを羽織ると、コース沿道へ出てゴールしてきた選手たちに激励と賞賛の拍手を送った。みんな口をゆがめ、眉をしかめ、額に深い皺をきざみながら走ってくる。前のめりに転倒しかかりながらフィニッシュラインを踏む選手も少なくない。だがレースが終わった瞬間、どの顔にも歓喜が灯り、やがて充足と安堵にそまっていく。

 それは、新宅にしても同じだった。

 新宅の初めてのトライアスロンレースは、2006年11月半ばにミクロネシアのロタ島で開催された「第13回ロタ・ブルー・トライアスロン」だ。この時、彼は52歳、日本オラクル社長としてビジネスシーンの最前線に立っていた。脂の乗った年齢であり、特筆すべき日本の経営者の一人でもある新宅は当然、多忙を極めている。

新宅 正明(しんたく・まさあき)氏
認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本副理事長。ファーストリテイリング社外取締役やNTTドコモアドバイザリーボードメンバー、経済同友会幹事でもある。1954年9月、大阪府生まれ。早稲大田大学政治経済学部卒業し、日本IBMを経て1991年12月に 日本オラクル入社。2000年、社長に就任。2008年6月に会長となり、同年12月に退社。スペシャルオリンピックス日本副理事長は2008年4月から務める。

 それまで、トレーニングをタイムスケジュールに組み込む意識はあっても、なかなか実行に移せなかった。まして、トライアスロンは三種目分の体力はもちろん、単独競技の3倍のトレーニングをこなさねば手に負えるものではなかろう。だが、トライアスロンという未知の競技に立ち向かうことは、彼にとって渡りに船だったのだ。

体力には自信を持っていたが・・・

 「もう一回、きっちりと肉体を整えへんかったらあかん。そう、切実に思うようになってたんです。企業のトップのインフラとして、健康であることは必須条件ですからね」

 新宅は挨拶を交わした時こそ標準語だったが、私も大阪出身だと知るとお国訛りを隠さず、あけすけな態度で語ってくれた。大きな身ぶり手ぶりに加え、下がった目尻の眼がくるくると愛嬌たっぷりに動く。

 「それに50歳というのは人生の節目。ここで再スタートを切るためには、健康や体力ちゅうプラットフォームが絶対に必要やないですか。子どものため、妻のためにも身体を鍛え直すのは大事なことなんですよ」

コメント1

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