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家族消費の時代の終焉

ファミリー市場は衰退し、シングル市場が主流になる

  • 小屋 知幸

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2010年10月5日(火)

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標準世帯の“消滅”

 わが国では、夫婦と子2人からなる世帯を「標準世帯」と呼んできた。そして国も企業も「標準世帯」を基本的なターゲットととらえ、政策を立案し、マーケティングを推進してきた面が強い。官僚もビジネスパースンも、まず夫婦と子2人の家族を思い浮かべ、生活者のニーズをとらえようとしてきたのだ。

 国立社会保障・人口問題研究所のデータに基づくと、「夫婦と子世帯」の構成比は、1980年時点で全世帯の42%を占めており、「単身世帯」(構成比20%)や「夫婦のみ世帯」(構成比12%)を大きく上回っていた。だから「標準世帯」を念頭に政策やマーケティングを設計することには、一定の妥当性があったと言える。

 ところが近年、この「標準世帯」の減少が著しい。現在の「夫婦と子世帯」の構成比は、全世帯の28%にすぎず、「単身世帯」の31%を下回っている。したがって夫婦と子2人からなる世帯はもはやマジョリティではなく、すでに「標準」とは言えなくなっている。さらに2030年には、「夫婦と子世帯」の構成比は22%にまで減少する見通しである。

 標準的ではない世帯を指して、「標準世帯」と呼ぶことはできないはずだ。ゆえに「標準世帯」は消滅したのである。

今後は単身が標準

 あえて「標準」という言葉を用いるならば、今後は単身世帯を「標準世帯」と呼ぶべきであろう。単身世帯の構成比は今後も増え続け、2030年には37%に達する見通しだ。こうなると家族や家庭という概念は、大幅に変質せざるを得ない。両親と子供が一緒に暮らしている家庭(このレポートでは“ファミリー”と呼ぶことにする)は、もはや標準的ではない。

 むしろ「一人暮らし(このレポートでは“シングル”と呼ぶことにする)こそが標準的な暮らしのあり方である」ととらえるべき時代が、すぐそこまで来ている。当然、企業のマーケティングも変わらざるを得ない。ビジネスパースンはまず、一人暮らしの消費者を思い浮かべ、そのニーズに即した商品やサービスを形作っていかなければならないのだ。

 ただしこのような「シングルマーケティング」には、難しさも付きまとう。単身世帯は多様である。そこには一人暮らしの若者も居れば、独居老人も居る。離婚した中年男性も居れば、おひとりさまのキャリアウーマンも居る。彼らの共通項は1人で暮らしていることと、子供と暮らしていないことくらいだ。

刷り込まれた幸福のイメージ

 シングルマーケティングには、それにも増して厄介な点がある。われわれは「ファミリー=明るく楽しい。一人暮らし=わびしい」という固定観念に囚われてしまっている。そしてたいていの人はファミリー世帯で生まれ育っているので、「ファミリーこそが正しい家族のあり方」だと思い込みがちである。

 マスコミや企業も「ファミリー=幸福」というイメージを、長年にわたり、社会に流布してきた。郊外の戸建て住宅に住む、サラリーマンの父と専業主婦の母と2人兄弟の4人家族。これがコマーシャルやテレビドラマに再三登場する、幸福な家庭のステレオタイプなイメージだ。

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