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「ロンダ」は東大から解体しなきゃダメだ

――学生を「パブロフの犬」にするな!

2010年10月12日(火)

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 前回(「若者の芽を摘む『学歴ロンダリング』の発想」)も、前々回(「何が日本の若者を俯かせてしまうのか?」)に続いて、たいへん多くの方からご反響を頂ました。正直、とてもびっくりしています。

 頂いたコメントの中では「ロンダリング」という言葉に関するもの、それから東京大学に関するご指摘が目につきました。「学歴ロンダリング」という言葉は20世紀末からあったのですか! 正直なところ、最近まで知りませんでした(そういう読者コメントも多くありましたので、半ば胸を撫で下ろしていますが・・・)。

 ご批判を覚悟で言いますと、東大の中で教官をしているだけなら、この単語にあまりお目に掛からない部局があると思います(僕がそうでした)。僕は指導学生を持たない研究教授だからということもあるでしょう。実際、大学に呼ばれて最初の数年、公務では「来るべき独立行政法人化に備えての東京大学自体の技術戦略」なんて仕事が主で、「学歴としての東大カード」を社会でどう使うか、といった話とは全く縁が遠かったです。逆に、明治の学制以来の日本の教育システムに由来する東大の病なんてことには通じました。『バカと東大は使いよう』(朝日新書)に詳しく記しましたので、ご興味のある方はどうかご参照ください。

 もうひとつ「なぜ伊東は東大に進学したのか? そんなお前に言われても説得力がない」というご指摘を頂きました。これはとても良いポイントです。僕は生まれてこの方「就職のためのカード」として進路を選んだことがありません(というより就職活動をしたことがないのです。大学は招聘があったのでお受けしたものです)。学問については、すべて内容に対する興味を第一に考えます。

 僕が東大を受験した最大の理由は父の母校だからでした。当初は夭折した父と同じ経済学部を志望しました。が、留学経験などを通じて考えを変え、内容本位で物理学に転じました。小さい頃から仕事は一貫して音楽家と決めていたので、これらすべて就職とは無関係に内容の面白さで決めたものでした。

 僕はそういう意味で日本ではかなりの少数派かもしれません。でも、だからこそ「就職カード」と無関係にこの問題を考えられるかもしれませんし、実際に大学では自分の創意でグループを率いて仕事をしています。

 こうしたことは僕のTwitterに書きましたので、何ならそちらもご参照ください。ご質問があれば、直接お答えできるかと思います。

レッテルで物事は動かさない

 今回、今回、もう一つ面白かったのは「伊東氏を含めて、レッテル貼りに汲々としている人」と、これまたびっくりするようなコメントを頂きました。本人の意識としては、レッテル貼りは大嫌いなつもりですが、ほかからは違って見えるのかもしれない。そこで考えてみたのですが、僕は大学院の授業をする際、学期の初めに学生たちに「学部で勉強したことは何?」と尋ねます。「建築」「電気」「機械」なんてどころか、「哲学科」なんて学生まで混ざっているので、これがないと話が準備しづらいからですが、この時、「出身大学」の名ではなく「学科」名を聞くようにしています

 たぶん世の中の「ロンダリング本」では「東大院卒に学歴をロンダする」という話はあっても「東大の中で教官が学部東大出身者とそうでない人をどう見るか」(あえて言えばレッテル貼りかもしれない)なんてことは書かれてないと思いますので、今回の稿の新しい情報として「東大教官は決して東大卒を良いとばかりは見ていない」という「レッテル貼りかもしれないもの」のお話をしたいと思います。

 例えば僕自身、ある学生が「工学系です。東大卒です」と言われたら、「普通の計算も真面目にやるだろうし、英語を読んで来いと言っても、一通りは押さえてくるだろうな」という程度の印象は持ちますし、それ以上のものは持ちません。確かにその程度の印象・・・色眼鏡かもしれません・・・は確かに持ちます。でも「レッテル」は貼りません。レッテルというのは、一度貼ったらそれが永続するものを言います。というのは、授業でもプロジェクトでも、動くものが進む中ではレッテルでは事は進まないからです

 これは、逆の状況を考えてもらえれば分かると思います。僕は東大以外の場でもゼミナールを持ちますが、例えば音楽の話、仕事の現場ベースで英語やドイツ語を使うと、大半の学生には音を上げられます。そういう時、面倒な辞書引きなども厭わず頑張ってくる学生とそうでない人とを見分けますが、これは出身校の別では一概に論じられません。ただ概して言えば東大文Iとか理IIIとかの学生は「要領はいいが、案外こらえ性はない」とか、そういう傾向は確かにあります

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官