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「マルちゃんする」とメキシコで独自解釈されたカップ麺

寿司に醤油・・・海外における日本食の受容

  • 安西 洋之,中林 鉄太郎

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2010年10月27日(水)

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 東京で人と話をしていてハテと思うことのひとつに、「東京のイタリア料理って、イタリアで食べるより、おいしいよね」という台詞がある。よりによって「東京に住んでいるイタリア人の友人も言ってるよ」と続くことさえある。

 確かに港区辺りを中心に、おいしいイタリアンはたくさんある。トスカーナやピエモンテなど、地方ごとの味を強調しているような店は本格的。しかし、同じものをイタリアで食べて「おいしい」と思えるような味は少ない。明らかに日本人向けにローカライズされている。だから日本人がおいしいと思うのは当然だし、日本に馴れたイタリア人も心地良いのだろう。

 思い出してみてほしい。海外に出て、「日本で食べる以上においしい」と思う和食に出会ったことがあるだろうか。「意外にいけるね。結構、おいしい」と言うのは、期待するレベルを落としているからではないか。

 合格基準を落として身構えているから、期待以上の結果に大満足する。おいしさの評価は価格とのバランスで変わったりする。「こんな金を取って、これだけか!」もしくは「この価格で、こんなに!」という2つの驚きがある。海外における日本食は、それと似たところがある。

海外で寿司は誰が食べているのか?

 寿司が海外市場で定着しつつある。和食の店も増え、多くは日本人以外の経営に依っている。中国人や韓国人が、和食レストランの看板を挙げている。これが寿司や和食の普及の強力な推進力になっている。

 いまやマーケットを作る人も、マーケット自身も主人公は日本人ではない。つまり、日本人が満足するのではなく、日本人以外の人たちが満足する味を提供することが重要。東京におけるイタリアンの逆だ。

 日本食が海外に普及し始めたといっても、家庭で作るわけではない。日本の家庭ではスパゲッティやカレー、餃子も食べる。これと逆の現象は、海外ではまだ起こっていない。せいぜい持ち帰りの寿司かカップ麺を食べる程度。いや、今までの大いなる営業努力があっての結果なのだから、「食べる程度」とは失礼な表現かもしれない。だが、日本のカレーのような国民食になっていないのは事実だろう。

 そこで、今回は「海外における日本食の受容」をテーマにローカリゼーションを考えてみたい。

 そのヒントを探るために、「すかいらーく創業者・横川端を父に持ち、飲食店を庭として育った」と話す食評論家の横川潤氏にご意見を伺った。米ニューヨーク大学でMBA(経営学修士)を取得。1994年『レストランで覗いたニューヨーク万華鏡』(柴田書店)でデビューし、アメリカの食ガイド『ザガット』を日本に初めて紹介した人物だ。そんな経歴ゆえに、ニューヨークを基点とした北米の話題がメインになることはご承知願いたい。

 さて、海外でも人気の寿司だが、いったいどの階層の消費者にどういうスタイルで受けているのだろうか。私自身は「ダイエットやヘルシーという合理性がベースにあるのではないか?」という見方をしてきたので、まずこの点について、横川氏に尋ねた。

 「私の場合、基本はニューヨークでのケースになりますが、明らかに根底にダイエット、ヘルシー志向があります。アメリカで健康志向を有する階層は経済的にも学歴的にも最上位に属しますので、特定の層にのみ受容されていると言ってよいかと思います。映画『噂のモーガン夫妻』では、田舎に移住させられた富裕なニューヨーカー夫妻が、『ここにはノブもないじゃないの!』と叫ぶシーンがありますが、ノブ(高級和食レストラン)はニューヨークの高級レストランのシンボルとさえなっている現状が窺えます」

 よく日本文化が好きで寿司が好きになっていると思う人がいるが、これは勘違いだと思う。お金に余裕がある、異文化に興味がある、トレンドに敏感。いずれかにあてはまる人がヘルシーという価値を寿司に認めた時、和食レストランに足を運ぶようになる。

 ただ、いまやそのような層を越えて寿司が浸透し始めたのも事実だ。例えば英国発のカジュアル和食チェーン「wagamama」の世界でのネットワークぶりと人気度を見ても、それはパブのフィッシュ・アンド・チップスと対抗しているように見える。

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