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辞表のたたき付け方

退職日までのたち振る舞い

  • 斉藤 由多加

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2010年10月14日(木)

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 前回までの本連載では、「やめとけぇ。独立するとこんな大変なことがあるから」という話をしてきたわけですが、それでも脱サラして独立するぞ、という人のために、今回からは少し実践的な話へと展開することにしましょう。今回は、次回から始まる「独立編」へ向けてのインターバル的な話としての「辞表の出し方」です。

辞表をたたきつけるというイベント

 ドラマなどで「上司に辞表をたたきつける」というシーンが、かつてはよくあった。こういう時代のドラマでは、悪代官のような上司のきまぐれに耐えに耐えた主人公が出てきて「スーツはビジネスマンの鎧だ」とか、「背広の内ポケットは相手と刺し違える最後のカード(辞表)を入れるためにある」なんて台詞を吐く、島耕作が課長だった時代。滅私奉公をしていると勘違いしてたサラリーマン時代は、ああいう派手なパフォーマンス一度はやってみたい、と僕もかつては思ったものだ。

 しかし21世紀になって時代は変わりました。どう変わったかというと、転職がごくふつうのイベントになったということ。だから辞表をたたきつけた相手が、いつの間にか自分の新しい職場の上司になっていたり、何くわぬ顔をして取引先に席を置いているなんてことがざらにある時代になったわけ。こういう時代になるとね、「辞表たたき付け」系――ま、これはあくまで一つの例えですけれど――の辞め方は損このうえないのです。

 こんな経験があります。自分で会社を始めたころのこと。社長である自分より年上の社員も多かった30代半ばの時期、社員の一人がこの「辞表たたき付け」のパフォーマンスをしてきたことがある。“パフォーマンス”とここで表現している理由は、ですね、この社員はどういうわけか結局辞職しなかったという奇妙な後日談があるのです。

 彼はその日、他の複数の社員が参加している飲み会の場に途中から参加し、僕と口論になりそうなある案件に話題を突然ふってきたわけです。そして議論が始まりかけた時分を見計らって、あらかじめ用意してあったこの辞表をスーツの内ポケットから取り出し、それこそ冒頭のドラマのシーンかのごとく、それをテーブルの上にたたき付けたのです。

 その居酒屋には、たしか有線放送で演歌のような曲がかかっていたのですが、この突然のイベントに、同席していた他の社員はぽかんとしてた。たぶん頭の中には「仁義なき戦い」のひゃらららーという音楽がリフレインしていたんじゃないかな…

 僕と同じ年齢のその社員は、しかし結局、その「最後のカード」を使っておきながら、何事もなかったかのように勤務し続けたのでありまして、なので“パフォーマンス”と表現しているわけです。おそらく彼にしてみれば「よし、これで気が晴れた。ま、社長にもかわいそうな事をしたから許してやろう」的なものがあったのだと思いますが (中小企業の雇用-非雇用の力関係なんて、しょせんそんなもんですよ)、社員たちが見ている前でその究極のパフォーマンスをしたその人は、ともするといまだに「爆弾男」という目でみられていて (本人にはその認識がないが)、一方のされた側の僕も「やるだけのことやっといて、そりゃねぇだろう」と、いう印象だけがいまだに残っている。

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