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品質や機能の比較優位からブランドは生まれない

経営とブランドをつなぐ「アートディレクター」の役割

  • 佐藤 オオキ

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2010年10月27日(水)

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 ヨーロッパの家具メーカーがブランド力を発揮するために、最も重要な役割を果たすのがアートディレクターです。アートディレクターという職業がいったいどんな役割を担っているのか、日本ではまだまだ認知度が低いと思います。しかし、もし彼らがいなかったら、そもそもブランド自体が成り立たないと言っていい存在なのです。

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 企業全体のマネジメントは、言うまでもなく、経営者や然るべきポジションの人の仕事です。一方、アートディレクターが統括するのは、そのメーカーにとってのクリエイティブな面すべて。どんなデザイナーを起用し、どんなテイストのどんなアイテムを発表し、広告や店舗のデザインの方向性をどうしていくのか。

 つまり、いかにブランドの世界観を作り上げ、コントロールしていくかは、アートディレクターの手腕にかかっています。経営者は、デザインやデザイナーの具体的なことにまで口を出したりしません。デザイナーとアートディレクターのミーティングに経営者が参加しても、コメントを差しはさむ程度です。明確に役割分担がなされているから、プロジェクトがとてもスピーディに進むのです。

 私、佐藤オオキが立ち上げたデザインオフィスnendo(ネンド、東京都目黒区)のクライアントとなっているヨーロッパの家具メーカーには、ほぼ例外なくアートディレクターがいます。まれに経営者がアートディレクターを兼ねる場合もありますが、アートディレクターというポジションを必ず誰かが務めているわけです。基本的に、経営者はアートディレクターとペアになって、ブランドのイメージを常に確認しながら、企業としての判断や決定をしていきます。

ブランドの世界観を決める人たち

 日本のメーカーと仕事をしていると、「いいものを作り続ければ、結果としてブランドになっていく」と思い込んでいるようなケースが多く見受けられます。そこで重視されるのは、個々の製品のスペック、性能、コストといった要素です。

 海外では、そこからして考え方が根本的に違います。まずブランドの世界観が明確にある。そのためには、どんなに売れそうなものでも、ブランドに合わなければ扱いません。「いいデザインだし、きっと売れるだろうけれど、うちのブランドらしさが足りない」と実際に言われてデザインが採用されなかったこともあります。そういった判断は、経営者ではなく、アートディレクターに委ねられているのです。そんなスタンスでデザインを取り入れている日本の企業は、ごく少数ではないでしょうか。

 nendoが深く付き合ってきたアートディレクターに、アルケティポのルディ・ボンボレリがいます。彼はフリーランスで活動していて、アルケティポのほかにも様々な家具ブランドにディレクターやコンサルタントとして携わっています。

 元々はカッペリーニという家具ブランドの製品開発担当者で、そこで培ったノウハウと強力な人脈を生かし、現在のポジションに就いたようです。フロント(スウェーデンの女性若手3人組)、クリストフ・ピエ(フランス)、ジャン・マリー・マソー(フランス)といった活躍中のデザイナーの多くも、ルディが紹介することで仕事の幅を広げていったと聞いています。また、吉岡徳仁さんや石上純也さんがイタリアで仕事をする際のパイプ役も果たしてきました。

 nendoがルディと接点を持ったのは、突然の出来事でした。始まりは、ルディから送られてきた1通のメールだったのです。イタリアのミラノで最初に会った時は、いきなりピンクのズボンで現れて、戸惑ったことを覚えています。

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