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復活に必要な「4条件」

変革を恐れるリーダーが衰退招く

2010年10月19日(火)

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 着実に成長を続ける会社と絶頂から転げ落ちる会社の違いは何か。このほど発売された『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』(日経BP社刊)の著者、米経営学者ジェームズ・C・コリンズ氏は多くの企業が、以下の5段階を経て衰退すると説いている。

 1.成功から生まれる傲慢

 2.規律なき拡大路線

 3.リスクと問題の否認

 4.一発逆転策の追求

 5.屈服と凡庸な企業への転落か消滅

 日経ビジネス10月4日号では「衰退に抗う不沈企業」と題し、特集記事で日本版「ビジョナリーカンパニー」の条件を探った。

 日経ビジネスオンライン連動インタビューの第8回に登場するのはマッキンゼーのエアン・ショー日本支社長。コンサルタントの視点から、企業の衰退と復活を語ってもらう。

――『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』は主に米国企業を分析しています。衰退の法則は日本企業にも当てはまると思いますか。

エアン・ショー(Heang Chhor)氏
マッキンゼー日本支社長

カンボジア生まれ。フランスにて高校・大学教育を受ける。欧州・アジアでの6年のビジネス経験ののち、1989年欧州にてマッキンゼー入社。以後、複数の国々でのコンサルティングに従事。2006年7月同社日本支社長に就任。(撮影:菅野 勝男、以下同)

ショー 日本企業の衰退パターンは大きく2つに分類できると思います。

 1つ目は欧米企業と同じように、衰退の5段階をたどっている企業です。電機セクターの企業が典型的でしょう。

 1980年代から90年代にかけて、日本の電機メーカーは世界で尊敬されていました。イノベーティブな製品を出すことで強いブランドを維持し、高い成長率を誇っていました。

 しかし、いくつかの企業は成功の理由を勘違いして、自信過剰になってしまいました。そのため、イノベーションを持続させるための努力を怠り、人材を育成することも忘れ、コリンズ氏が言う第2段階「規律なき拡大路線」を進んでしまったのです。

 そうした企業は現在、非常に苦しんでいます。にもかかわらず、現実から目を背けています。自らの高コスト体質などが競争力を削いでいるのに、韓国企業や中国企業と競争条件が異なることや、円高といった外部要因に理由を求めがちです。社内で問題を発見して解決しようとせず、「問題を否認」して言い訳を探しているようにも見えます。

内需型は高齢化や市場縮小に悩まされる

 2番目のパターンは、小売りや金融などの内需産業です。こうした業界は、高齢化や市場の縮小といった日本特有の問題に悩まされています。これらの問題を解決するには、グローバル市場に打って出るしかありません。成功した企業ももちろんあります。しかし衰退に直面している企業の経営者は、日本国内に止まり続けるという選択肢を選んでしまいました。

 すると、負のサイクルに入り込んでしまいます。売り上げの減少に対応するためにコストを削減し、そのために契約社員やパート社員を増やさざるを得ない。世界の他の地域では直面しないような課題にぶつかっているのです。

 最初のパターンでは、自信過剰に陥り、ひたすら拡張したことが衰退の原因でした。2番目のパターンに当てはまる企業は逆に、国内に止まる選択をしたことが問題を悪化させました。

――2つのパターンからは、何らかの共通点が見いだせるのでしょうか。

ショー 日本企業が抱える最大の問題は、経営者がリーダーシップを発揮し切れていないことです。日本の経営者は物事を改善するのは得意ですが、企業を完全に変えてしまうような、大胆な変革を恐れる傾向があります。

 日本の経営者は会社の外、あるいは日本国外で何が起きているのか、理解する能力に欠けているのかもしれません。例えば中国では、今後10年間で3億人が都市部に移住すると言われています。ここには膨大なビジネスチャンスがあるはずです。しかしこうしたチャンスをつかもうとする日本企業は、欧米や韓国企業に比べて少ない。

 日本企業は内向き志向で、自分たちが作っている製品にのみ目を向けている。顧客を見ていないんです。それゆえに、経営者は大胆な手を打てないのでしょう。

「『ビジョナリー・カンパニー』から学ぶ衰退に抗う」のバックナンバー

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「復活に必要な「4条件」」の著者

小笠原 啓

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

早稲田大学政治経済学部卒業後、1998年に日経BP社入社。「日経ネットナビ」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」の各編集部を経て、2014年9月から現職。製造業を軸に取材活動中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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