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完走には「社長力」「管理力」「現場力」が不可欠

白川 洋平 ナチュラルハウス社長

  • 増田 晶文

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2010年10月29日(金)

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 前回は、60歳をすぎて果敢にトライアスロンに挑んだ、いけばな作家の州村衛香から話を聞いた。彼女の、積極的で、すべてを楽しもうとする姿勢は、そのまま人生の取り組み方につながっていく。

 今回登場する、ナチュラルハウス社長の白川洋平は、トライアスロンを見事に企業運営へ落とし込んでみせた。

 トライアスロンと経営――。自然食品や自然化粧品などのオーガニック関連商品を扱うナチュラルハウス社長の白川洋平は、それをトップの立場から、的確な言葉と説明で並べてくれた。

白川 洋平(しらかわ・ようへい)氏
ナチュラルハウス社長。1968年11月生まれ。1991年3月に学習院大学経済学部卒業、同年9月に米ワシントン大学入学、1992年12月に同校ジョン・M・オーリン・スクール・オブ・ビジネスでMBA(経営学修士)を取得。三井物産を経て、1997年にナチュラルハウスに入社、2000年3月より現職。

 「トライアスロンの泳ぐ、漕ぐ、走るには社長力、管理力、現場力の3つが不可欠なんです。3つの異なるスポーツをこなすには、それぞれの特質に応じ、戦略や戦術を立てる必要があります。長丁場のレースの全体像を把握しながら、細かな目標設定も大事になる。しかも状況は刻々と変化するから、アジャストする臨機応変さも求められる。これは経営と全く同じだって痛感しました」

 白川の、物事を飲みこみ、噛みくだく力はもちろん、彼の貪欲さ、吸収力に少々たじたじとなりつつも、私はうなずいた。そして、彼のあっけらかんとした表情に見入った。

目標を見失ってはならない

 彼が初めてトライアスロンに挑んだのは、2005年11月に開催されたロタ島での大会だった。

 「まずスイムで発揮しなければいけないのが社長力です」

 単純に1.5kmという距離だけで言うと、トライアスロンの中でスイムが一番短い。だが、海という難敵は波や潮流などの苦難を強いてくるばかりか、溺れる危険性すら伴う。

 「潮流は“時代の大きなうねり”と読み解けると思うし、小刻みに高くなったり低くなったりする波は“消費者の嗜好と動向”やないですか」

 白川はそんなマーケット、もとい「海」に立ち向かう。

 「浜辺のスタート地点に立つと、真っ青な海の先に折り返し点のブイが見えます。陸上なら、なんともないはずの距離が、海になると一変して遠くに見えてきます。しかもブイは波に揺られて、見え隠れしている。目標地点は分かっているのに、それが予想以上に遠くにあるうえ、霞んでしまっている。社長というポジションは、しばしば似たような状況に置かれるんです」

 トップは常に目標を見失ってはいけない。ゴールがある以上、そこに至る経路の目星がついていることもあろう。だが、実際には目標へ向かう道のりで何度も不安がよぎる。しかも、トップは孤独だ。

 「荒い波の時は、必死に泳いでも前に進みません。体力ばかりか、気力も消耗します。そんな時は目標のブイまでが波間に浮き沈んで見えなくなってしまう。死の恐怖も襲ってきます。かと言って、泳ぐのを止めたらどうなるかは明白です。がむしゃらに泳ぎ続けるか、勝負やタイムはさておき、一度は力を抜いてみるか。その辺りも判断が難しいんです」

 おまけに、真っ直ぐ泳いでいるつもりなのに、思いっきり蛇行している場合もある。「ホンマに社長業と似ている」――白川は、すっと眉をあげてみせた。

 バイクは40kmの長丁場を漕ぐ。

 「これはまさに管理力ですね。バイクの距離はトライアスロンで最長です。でも、道路は舗装されているし、地図まで用意してある。おまけに、バイクはこのために開発された快速マシンです。リスクに挑むというより、用意された、あるいは整った環境の中で、ミスをせずに計画を実行できるかどうかの問題になってきます」

 ペース配分に力を注ぐ必要もある。できれば、登り坂だろうが平坦な道だろうが一定のトルクで走りたい。

 「いきなり立ち漕ぎを始めて先頭集団に飛び出しても、その後で息切れしてしまってはレースになりません。冷静な判断のもと、バイクのギアをこまめに上げ下げして回転数の調整をしないといけません」

 バイクレースを白川のビジネスに当てはめると、商品をロングスパンで品質や価格のムラを出さずに安定供給していくか、に合致する。

 白川は快活そのものの調子で言ってのけた。

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